2021年12月に連載開始から30周年を迎えた『美少女戦士セーラームーン』。そのキャラクターがデザインされたマンホールが、3月から東京都港区の5か所に設置されることが発表され話題を呼んでいる。

「港区は同作におけるメインの舞台となっていることから設置が決定したそうです。主人公である月野うさぎ(セーラームーン)や仲間たちが日常生活を送る麻布十番商店街の入り口はもちろん。登場人物の一人である火野レイ(セーラーマーズ)が通うT・A女学院のモデルとなった東洋英和女学院小学部・幼稚園前にもマンホールは登場します」(エンタメ誌編集者)

 そのほかにも、東京タワーや芝公園付近、慶応仲通り商店街入口と物語縁の地にマンホールは設置されるとあって、ファンが殺到することも予想される。

区内5か所に設置のセーラームーンマンホール 画像は港区提供

 セーラームーンに限らず、今や各地に設置され観光名所化に一役買っているデザインマンホール。そんなブームの火付け役となったのは、16年4月から配布が始まったご当地マンホールカードの存在だ。

「07年から群馬県内にある矢木沢ダムなど、日本全国のダムをカード化したダムカードの配布を国土交通省などが旗振り役となってスタート。当初は水資源の大切さを説くことが目的でしたが、これが予想外に好評だった。

 このヒットを受けて、下水道の大切さを知り、イメージアップに繋げるのを目的に下水道広報プラットホームが今度はマンホールカードを制作。市町村の水道局や観光案内所で無料配布されていますが、初期のカードや人気キャラクターのものは高額転売されるほどの人気です」(前出のエンタメ誌編集者)

 現に、フリマアプリのメルカリ上で“マンホールカード”と検索すれば、手塚治虫さんの名作漫画『鉄腕アトム』がデザインされたカードは1万円超えと強気の価格で取引されているご様子だ。

 今や町おこしにもなっているデザインマンホールだが、一般層にも注目されるようになったのは「ポケモンのキャラクター絵をデザインしたマンホール“ポケふた”の存在が大きい」と、自身もデザインマンホール巡りをするトラベルライターの森田めぐみ氏は語る。

香川県高松市にはヤドンのマンホールがある 写真/編集部

「18年12月にポケモンの人気キャラであるイーブイが、鹿児島県指宿市のスポーツ・文化交流大使に任命されました。これを記念して指宿駅前にイーブイをデザインしたマンホールが設置されたのを皮切りに、日本各地でポケふたが設置されるようになったのです。ポケふた専用のサイトも作られたこともあり、親子でポケふた巡りをする人が増えています」(森田氏)