■“医療ツアー”も盛ん

 東南アジアからのインバウンド客を専門とする旅行会社『TAS』(東京都中央区)に聞いてみたところ、

「最近では、滞在中に自由行動を選ぶ人も多くなってきて、在来線乗車、日帰り温泉、理容店カット、コンビニ巡りなどを楽しまれているようです」

 とのこと。

 ローカルな旅を楽しむ外国人に関しては、長野県の『白馬観光協会』もこう話す。

「スキーヤーの半数近くは外国の人です。しかも新幹線ではなく、中央本線から大糸線という1時間に1本もないような在来線を利用する人もかなりいます」

 ちなみに、同町の温泉施設でも、露天風呂の利用客の半数ほどは外国人観光客だとか。

 一方、インバウンド客の出費を惜しまない行動も加速している。

「がん検診などの“医療ツアー”が盛んです。日本の技術やサービスの質は高いと評判で、2泊で50万円ほど払っていく中国人の富裕層も少なくないようです」(前出の旅行誌ライター)

 おなじみの“爆買い”も健在。

「100円ショップのダイソーが販売しているティラミス味のトリュフチョコ8個入りが大人気で、陳列棚全部、100個近くを一気に買った人を目撃したことがありますね」(前同)

 お菓子だけではない。

「去年の1月にも、中国人による解熱剤買い占め阻止へ向け、厚労省がドラッグストアに個数制限を要請しましたが、効果は限定的ですね」(前出の経済誌記者)

 中古のロレックスも“標的”になっている。

「ロレックスは、中国では専門店でも偽物が横行。その点、日本は中古でも、保証書やメーカー修理証明書まで付いてますから、信頼できるんです」(前出の旅行誌ライター)

 お手頃なものから高級品まで、インバウンド客が日本経済を回しているのかも。