うどんといえば香川だが、近年、その絶対的地位を揺るがさんと名乗りを上げた県がある。

「それは埼玉県です」

 と言うのは、フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏。はんつ氏は、こう続ける。

「首都圏のうどん屋を紹介する本を20年前から出していますが、10年ほど前に“埼玉のうどんは、すごいぞ”と、僕をはじめ、うどん好きが気づき始めた。県内では、もともと盛り上がっていましたが、最近ようやく、全国の人にも知られるようになったんです」

 意外にも、埼玉におけるうどんの歴史は古い。

「もともと埼玉は小麦粉文化。小麦粉の生産量が多く、かつては自宅でも、うどんを打って食べていました。“うどんが打てないと、お嫁にいけない”という俗説もあったほどなんです」(前同)

 実際、統計でも埼玉は王者・香川を猛追。農林水産省の調査によると、年間うどん生産量は2009年時点で、すでに1位の香川県(5万9643トン)に次いで、埼玉県が2位(2万4720トン)なのだ。

 はんつ氏によれば、“埼玉うどん”の魅力は、その種類の多さにあるという。

「加須(かぞ)で食べられる“加須うどん”は、地産の小麦粉を使った手打ちうどん。最近では、荒川の川幅日本一を誇る鴻巣が売り出す“鴻巣川幅うどん”も面白い。他にも、鳩ヶ谷にはブルドックソースの工場があったので、それにちなんだ“鳩ヶ谷ソース焼きうどん”なるものもあります」

 さらに、埼玉うどんに追い風を吹かせるべく、『埼玉を日本一の「うどん県」にする会』まで誕生。その名の通り、うどん県・香川についに宣戦布告か!? 会長の永谷晶久氏を直撃した。