■埼玉のうどんマーケットは約30倍に成長

「宣戦布告はしてないですよ(笑)。ただ、私がこの活動を始めた2015年から8年以上を経て、埼玉のうどんマーケットは約30倍に成長。昨年、今年と新規出店も相次ぎ、他県の有名店の流入も目立ちます。市場的にも“埼玉でうどん屋を開けば当たる”と分かったからではないでしょうか」(前出の『埼玉を日本一の「うどん県」にする会』会長の永谷氏)

 そんな“うどん激戦地”で、埼玉名物として今、盛り上がっているのが“武蔵野うどん”なのだという。

 諸説あるが、もともとは、「埼玉県西部や東京都の多摩地域を中心に食べられていた」(前同)そうで、「特徴は、豚バラが入った“肉汁つけうどん”。埼玉県内に名店がたくさんあるほか、全国にも広がっています」(前出のはんつ氏)

 そんな武蔵野うどんを楽しめる、うまい店はどこか。

「武蔵野うどんの王道といえば『竹國』。埼玉うどんが全国区になったと同時に、店舗数が5倍になったご当地チェーンです。なお、埼玉の県民麺といえば、学校給食の“ソフト麺”を製造していた『山田うどん』ですが、現在は、竹國の母体である製麺会社『大進食品』の麺が多く採用され、新たな県民麺と言えます」(グルメライター)

 一方、はんつ氏がオススメとして挙げるのは、

「さいたま市内に3店舗ある『武蔵野うどん 藤原』。肉汁つけうどんの人気店で、汁を辛くした“旨辛うどん”もいい。面白さでは、川幅うどんの鴻巣にある『長木屋』。明治24年創業の老舗で、メニューも驚くほど多い」

 熱を帯びる令和のうどん戦争。いざ、食らうべし!