ウクライナ危機によって原油や小麦などの価格高騰が発生した2022年。そして、空前の値上げラッシュが我々の家計を襲った23年。そして、この流れは今年も収まる気配はない。

「帝国データバンクの食品主要195社『価格改定動向調査』によれば、23年1〜6月の値上げ品目数は5911品目。そのうち3295品目がレトルト食品や冷凍食品などの加工食品で、その9割以上が、この4月に値上げ予定なんです」(全国紙経済部記者)

 たとえば、23年10月に値上げを実施したばかりの伊藤ハムが、4月にハムやソーセージなどの加工食品を値上げ予定。540円から685円に値上げされるネスレ日本のチョコレート菓子の『キットカット』も昨年春に続き、再値上げである。

 すぐに迫る「値上げ地獄」。これについて、経済評論家の川口文武氏が解説する。

「レトルトや冷凍食品は、保存期間が長い分、生ものなどと違って、値上げを我慢していたタイムラグの結果かもしれません」

 生活に直結する値上げは食品だけではない。帝国データバンク情報統括部の中森貴和氏が言う。

「値上げの主因は輸入頼みと円安。日本はエネルギーから食品原料まで、資源がほとんどない。だから、値上げは食品にとどまりません。電気代も、その典型です」

 23年7月に2割以上の値上げをした電力各社は、送電線整備を名目に4月から7社が、さらに1か月当たり5〜65円の値上げ。

 ヤマト運輸、佐川急便の宅配便も4月から値上げ。車がパンクしたときなどに駆けつけてくれるJAFロードサービスも、実に2倍近い値上げだ。