1986年4月15日の販売開始以来、ジューシーさが定番の「レギュラー」や辛口な「レッド」といった味が消費者に受け、ローソンの看板商品にまで成長した『からあげクン』。ローソンが、3月12日から全国8地区で、地元食材や地元民が愛するソウルフードとコラボした『ご当地からあげクン』(北海道、東北、北関東、南関東、中部、近畿、中四国、九州・沖縄/すべて税込259円)を販売開始して10日が経った。

 今回、全国で展開されている味は下記の8種類。商品は販売地域でのみ購入できる。

・【北海道】やきそば弁当(マルちゃんのカップ焼そばシリーズ「やきそば弁当」)

・【東北】嶽(だけ)きみバター醤油(青森県産の「嶽きみ(とうもろこし)」のペースト使用)

・【北関東】岩下の新生姜(栃木県に本社がある岩下食品株式会社とのコラボ)

・【南関東】ラー油(桃屋「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を使用)

・【東海】和風とんこつ(東海地方で親しまれている「スガキヤ」監修)

・【近畿】たまねぎ醤油(甘味の強い淡路島産玉ねぎのソテーを使用)

・【中四国】ゆかり(広島市に本社がある三島食品のふりかけ「ゆかり」を使用)

・【九州・沖縄】からし高菜風味(とんこつ袋ラーメン「うまかっちゃん」シリーズの「博多からし高菜風味」をイメージ)

 SNSではさっそく、《からあげクンのラー油味美味いな》《からあげクンのゆかり味美味しい》などといった感想が上がっているが、ローソンはなぜ定番商品のご当地味を展開したのだろうか。

 トレンド誌の編集者が話す。

「エリアごとの“ご当地からあげクン”は2023年2月に全国7地区で販売したところ好評で、合計約200万食販売。大ヒット商品となった過去があります。

 大手3社の23年度の全体の売り上げを比較すると、企業の儲けを示す純利益はセブンイレブンが802億円、ファミリーマートは330億円、ローソンは324億円。大手3社の間でローソンは後塵を拝する形です。過去に成功した企画を市場に投入することで、巻き返しを図りたいという戦略があるのやもしれません」

 大手3社がしのぎを削るコンビニ戦線。そんな中、ご当地商品はしばしば企画され、そのたびに人気を博している。コンビニがご当地商品を手がける背景について、『からあげクン』を販売するローソンに22年間勤務し、その間に多数の商品開発も行なった流通ジャーナリストの渡辺広明氏に話を聞いた。