■上司に気を遣わせないためのカラオケスキル
一方で、上司の世代にピッタリの曲ばかりをカラオケで入れていると、「“気を遣わせてしまっているのではないか”と上司に思わせてしまうリスクがある」と前出のyuuu氏は指摘する。
「70年~80年代の曲を立て続けに入れる際には、”親とのドライブで幼少期から聴いていて、この世代の曲が大好きだった”など、“この会のために勉強して知ったわけではない”ということをさり気なく伝えることをお勧めします。この言葉を聞くと上司は納得し、安心します。
また、少し高等なテクですが、あえて自分の世代の曲を入れて、上司に”この曲は知っているよ”と若者世代の文化・曲に造詣があるとマウントをとらせてあげるのも極めて有効な手です」(前同)
ただし、若者世代の楽曲を歌うときは、上司でも聴いたことがあっておかしくない”紅白でも歌われた大ヒット曲”にとどめておくべきだという。
「たとえば今、人気の2人組ユニット・YOASOBIだと『夜に駆ける』や『アイドル』、Vaundy(23)なら『怪獣の花唄』までですね。たとえ若手世代の有名歌手であってもニッチな曲を歌うのはあまり推奨できません。上司に響かず、微妙な拍手とノリで場が凍るときがありますから」(同)
最後にyuuu氏は、電通時代の同僚たちが見せていた恐るべき“カラオケの乗り切りテクニック”を明かしてくれた。
「余談ですが、電通時代には毎日カバンにリコーダーを忍ばせていた先輩がいたんですよ。いったい何に使うんだろうと思っていたら、カラオケが始まった瞬間にここぞとばかりに取り出して、吹き始めたのです。松任谷由実(70)の『春よ、来い』を。何とも言えない、微妙なうまさでした。
テクニカルな技としては、タンバリンなどの小道具を頑張るのも一つの手です。私は10年に『R-1ぐらんぷり』で準決勝に進出した実力もあるピン芸人・タンバリンマスターGONZO(38)のyoutube動画を見て、不気味なタンバリンさばきを習得しました」(同)
会食でもカラオケでも、そこでの振る舞いは社会人として周囲から注視されている。新入社員の生存戦略はすでに始まっているのだ。
yuuu(ユウ)
京都大学大学院修了後、新卒で電通に入社。先輩の言葉をきっかけに会食に全力で取り組むように。百戦錬磨の会食猛者達に揉まれ、最大28回/月の会食を経験。その苦戦苦闘の末に、すべての会食・食事会を誰もが成功に導くことができる、徹底的に実務に即した体系的な「会食メソッド」を独自に生み出す。その後会食をきっかけに、念願のスタートアップ企業に就職。「会食メソッド」の一部を公開したnote『若手のうちに絶対身に着けたい「ビジネス会食完全攻略マニュアル」』は約30万PVと反響を呼ぶ。
(元記事:https://note.com/yuuu0316/n/n31dad52d4241)
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