■冷凍食品が1万円超え! 専門家は経済の二極化を指摘
まるで麻布台ヒルズのように、どこまでも高く高く上がっている印象の麻布台ヒルズマーケットで販売される食料品の価格。さらに来店客の目をくぎづけにしたのは、冷凍食品コーナーだという。
「有名レストランプロデュースの商品がズラリと並んだ冷凍食品コーナーには、度肝を抜かれましたよ。銀座に店をかまえるフレンチレストラン『銀座みかわや』の『国産和牛タンシチュー』は1人前200gで11880円!
中華料理で知られる『銀座アスター』の『鮑のオイスターソース煮』も鮑を丸ごと使っているとはいえ、1箱4860円。誰が買うのか、と思ってしまいましたね。でも、ここなら売れるんでしょうね……」(前出の来店客)
この状況を「日本経済の二極化」と嘆くのは、経済評論家の荻原博子氏だ。
「今の日本経済の状況は1割〜2割のお金を持っている人には素晴らしい景色、1万円超えの冷凍食品も買えるのでしょう。現に、大企業は春闘でも平均5.28%の賃上げを行なったと報じられています。でも、そんな企業はほんの一握り。大企業での賃上げが中小企業にまで波及するかと聞かれれば、そんなことはないでしょう」(荻原氏)
現に個人消費の動向指標ともなる実質賃金は、物価上昇の影響から22か月連続でマイナス状態が日本国内では続いている。
「経済格差が広がっているのに、冷凍食品が1万円超えとは信じられないですよね。コロナもあって国民の多くは経済的に苦しんでいる中で、麻布台ヒルズに住むような企業経営者はこの状況をどう見ているのか……」(前同)
最上階は、一部では誰もが知るベンチャー企業の創設者が購入したとも報じられている麻布台ヒルズ。その地下1階にあるマーケットは、現在の日本の経済格差が明確に現われた場所のようだ。