3月17日のNHK杯決勝で敗れるも、向かうところ敵なしと言った状況は変わらない藤井聡太八冠(21)。そんな、国民的ヒーローと言っても過言ではない藤井八冠も対局中、愛飲していることで注目を集めているのが、ゼリー飲料である。そんなゼリー飲料が現在、藤井効果か、その売上を伸ばしているという。
全国紙経済部記者が語る。
「『清涼飲料水統計2023』(全国清涼飲料連合会)によれば、2020年から22年の2年間でゼリー飲料の生産量は8800キロリットルから1万1300キロリットルと、2500キロリットル、およそ1.3倍も増えています。ただし、ゼリー飲料自体は別に目新しい商品というわけでもない。人気の背景には、消費者層の裾野の広がりがあるようです」
ゼリー飲料商品を牽引するのは『inゼリー』で知られる森永製菓。『inゼリー』シリーズが発売されたのは、1994年2月のこと。当初は短時間で栄養補給ができるとしてアスリート向けに発売された商品だった。しかし、手軽に、短時間でエネルギーを摂取できる食品とあって、ビジネスパーソンからも注目が集まり、需要の多様化とともにさまざまな商品が市場に投入されてきたという。
そんな同社は今年3月19日から、30年間の歴史の中で初めて子ども向けとなる商品『inゼリー 成長期サポート<アップル>』(226円・税込・以下同)『inゼリー 成長期サポート<グレープ>』(226円)を新発売。成長期の子ども向けに、1食分のカルシウム、ビタミンD、鉄分、考えるためのエネルギーであるブドウ糖を配合したという。
大流行中のゼリー飲料。数多くのテレビ番組でも活躍してきた管理栄養士の森崎友紀さんは、ゼリー飲料として子どもの栄養サポート商品が展開される背景には、「共働き家庭の増加」があるのではないかと見る。
「ゼリー飲料は今、ビタミンやミネラルなど、栄養補給面を打ち出した商品がすごく増えています。忙しい共働き家庭が増えて、子どもたちが食事だけでは栄養不足になってはいないかと心配な親は多い。そうした家庭のニーズをよく捉えている商品だと思います。おやつ代わりにもなるため、どうせ何か食べさせるなら栄養補給もできる物のほうが、親としては罪悪感もないという心理もあるでしょう」(森崎さん)