■メジャーで賭博は禁忌  大谷選手へと飛び火する可能性も……

 図らずも、アメリカ中が注目する問題の当事者となってしまった水原氏。本人が「ギャンブル依存」と明かした、とも報じられていることから、ギャンブルが持つ負の側面と結びつけた報道もアメリカでは目立つようだ。

「アメリカでは1億人以上が視聴するとも言われるアメリカンフットボールの優勝決定戦は、スポーツ賭博のCMも流れます。一方、スポーツ賭博の違憲判断が各州の手に委ねられるようになってからは、大谷選手がプレーするメジャーリーグも“競技の品位を守る方法を追求したい”と声明を出すなど、スポーツ賭博の過熱に慎重な姿勢を示す人がいるのも事実。

 メジャーリーグで最も稼ぐ男の側近が、スポーツ賭博にのめり込んでいたとあって、ギャンブル反対派からは“それ見たことか”“言わんこっちゃない”と辛辣な意見や批判も出ています」(前出のキー局在米記者)

 また、メジャーリーグでは歴代最多となる4256安打を放ったピート・ローズ氏が、野球賭博に手を染めていたことから永久追放処分を受けた過去もある。

「1919年にはシカゴ・ホワイトソックスの選手がワールドシリーズを舞台に八百長を行なった“ブラックソックス事件”も黒い記憶として有名です。以来、メジャーリーグで賭博は禁忌とされてきた」(前同)

 水原氏は「野球に賭けたことはない」と話していると報じられているが、もしこの話が虚偽であれば大谷選手への影響は避けられないとの見方もある。

「大谷選手は会見で、水原氏のギャンブルによる借金が、自身のカネで補填されたことは“知らなかった”と話している。しかし、万が一、水原氏が野球賭博を行なっていたことが明るみに出れば、メジャーリーグから大谷選手へと重大な処分を下される可能性だってあるのです」(同)

 一連の騒動後、全米ギャンブル依存症対策協議会の広報担当者はメディアの取材に対して「スポーツ賭博による収益の一部を依存症の予防や治療に回すなどの対策が必要だ」と、その悪影響を危惧する発言も残している。

 水原氏が引き起こした騒動は、大谷選手へと飛び火しただけに留まらず、アメリカ中を巻き込んだ議論へと発展しそうな様相を呈しつつある。