ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手(29)の相棒として活躍していた、水原一平元通訳。大谷選手の“右腕”だった男が陥ったのは、ギャンブル沼だった。水原氏が違法スポーツ賭博で積み上げた借金は450万ドル(日本円でおよそ6億7500万円)。これほどまでもの大金を返済するためにと、水原氏は大谷選手の懐へまで手を突っ込んでいたのである。

 民放キー局在米記者が話す。

「3月25日(日本時間・26日)には、沈黙を守り続けてきた大谷選手が会見を開催。事の顛末を初めて公の場で語りました。しかし、取材陣が会見場へと入る際、球団側が質疑応答はなし、撮影も禁止すると伝えてくるなど異様な雰囲気でしたね」

 大谷選手が所属するドジャースが、報道陣に対して徹底ガードの防御戦法を選択したのには理由がある。

※画像はロサンゼルス・ドジャース公式X(旧ツイッター)『@Dodgers』より

「日本では主にスーパースターの通訳が起こした横領トラブルとして報じられていますが、アメリカではニュースとしての扱いが異なります。2018年に連邦最高裁がスポーツ賭博の違憲判断を各州に委ねるとの決定を下して以来、スポーツ賭博の是非を巡る議論は全土で紛糾中。

 年間1500億ドル(およそ16兆円)とも目されるスポーツ賭博市場を成長産業と捉える人がいる一方で、ギャンブル依存などが引き起こす問題を社会悪と見る人との間で意見が割れている。水原氏が起こした騒動は今、アメリカ中で議論の的となっている話なのです」(前同)

 水原氏が引き起こした一件も、メジャーリーグで10年総額7億ドル(およそ993億円)と、最高額の契約を結んだ大谷選手の側近による問題とあって、注目度は高いという。

「アメリカで野球の注目度はアメフトやバスケットボールほど高くはない。どちらかと言えば不人気スポーツで、国民的スポーツとは呼べません。それでも大谷選手の会見時にはアメリカ中で放送されるニュース専門チャンネルまでもが速報を打つなど、水原氏が起こした騒動は、社会問題としての側面から注目度がとても高いんです」(同)