■コンタクトレンズでなる人も! ソフトにもハードにも潜む「リスク」
中野が手術を決断した「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」の症状に関して、前出の大口院長が解説する。
「眼瞼下垂症とは、簡単にいえば、まぶたを持ち上げる筋力が弱まることで瞳孔の上にかぶさってきて視野が狭くなる状態です。生まれたときから先天的に症状を抱えている人もいれば、加齢によって起こることも。ただ、眼瞼下垂症を引き起こす原因となる病気が隠れている場合もあるので、手術には慎重な判断が必要です」(大口院長)
どの年代でも起こりうる症状とのこと。中野のようにまぶたにテープを貼ることで症状が起きる特殊例は別として、一般人が目へとテンションをかけ続けたことで眼瞼下垂に悩む代表例には「コンタクトレンズ」があるという。
「まぶたは人体のなかでも最も薄い皮膚なので、繰り返し強く引っ張っていると瞼を持ち上げる筋肉が伸びてゆるくなり、眼瞼下垂症になることはあり得ます。
一般の方でいうと、コンタクトレンズを使っていて眼瞼下垂症になる方も。コンタクトレンズを入れたり外したりするときに瞼を強く引っ張りがちだからです」(前同)
たとえばハードコンタクトレンズであれば目尻を引っ張り、レンズを押し出すようにして外す人もいるだろう。ソフトコンタクトレンズであれば直径は14mm程度。8mm~9mmほどの直径であるハードコンタクトレンズより5mm以上も大きい。そんなコンタクトレンズを目へと入れる際に思い切りまぶたを持ち上げた経験がある方も少なくないだろう。
「ソフトでもハードでも、継続してまぶたや目尻を引っ張っていると、まぶたへと負荷がかかるもの。ただ、同じ筋肉でも伸びる人と伸びない人がいるように、コンタクトを使っている人が必ず眼瞼下垂症になるわけではなく、ならない人ももちろんいます。なる人はなるとしか言えないのが実情です」(同)
眼瞼下垂症かどうかのチェックポイントは、瞳孔確認のほかに「眉が上がり気味になり、おでこにシワが寄っている」かどうか。大口院長によれば、まぶたの筋力が足りないため、おでこの筋肉で瞼を引き上げようとするようになるのだという。