■枠の多さからリアタイ視聴を諦めている視聴者も

 4月12日、篠原主演の『イップス』の裏では、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では大人気アニメ『名探偵コナン』の劇場版『紺青の拳(フィスト)』(2019)が放送された。コア視聴率は6.2%という驚異的な数字で、同時間帯トップだった。

「新番組の初回放送時間に特番や人気映画をぶつける“初回潰し”ですよね。『金曜ロードショー』の裏で放送されているフジテレビとTBSの連続ドラマは、必ずと言っていいほどこれに巻き込まれますね」

【4月13日(土)】

花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系/夜9時~)

 主演:今田美桜(27) コア視聴率…2.0%

池井戸潤氏による小説が原作で、同局で2014、15年にさん(38)主演でも実写化されていた、正義感が強く理不尽を“黙ってない”銀行員・花咲舞を主人公とした勧善懲悪のシナリオは令和版でも健在。今田さんの演技も良いのですが、どうしても杏さんと比べてしまうファンも多いですね」

 なお、本作の裏では吉沢亮(30)主演の『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系/22年10月期)の新作SPが放送され、コア2.6%だった。これに視聴者を取られてしまったところもあるだろう。

【4月14日(日)】

『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系/夜10時30分~)

 主演:間宮祥太朗 コア視聴率…2.2%

「原作・メーブ氏と作画・恵広史氏による同名漫画(講談社)のドラマ化作品であり、4月26日以降に、Amazonプライムビデオで150以上の国と地域での配信も予定している大型プロジェクト作品です。CGに気合いが入っている一方で、原作とキャラの年齢など大幅に変更されていることに難色を示す原作ファンも多いですね」

※画像は『Destiny』の公式X『@Destiny_tvasahi』より

「広瀬さんの月9『366日』、めるるさんの『くる恋』あたりは及第点と言える数字かもしれませんが、それでも全体的に非常に低調ですよね。ことごとく、同時間帯に放送されているバラエティ番組に負けてしまっています」

 4月期の各ドラマが低調スタートとなったなか、『花咲舞』が第1弾となった『土ドラ9』枠のように、近年、テレビドラマの放送枠が急増。乱立状態のようになっていることに不満を感じている視聴者も多く、

《各局ドラマ枠多すぎない?と。キー局のドラマ枠はプライム1深夜1で計2つに絞って、制作費も集中させればギャラも上がるしスタッフもキャスト被りも少なくなるし今よりマシなドラマ作れるんじゃ?って思ってます》
《春ドラマもアニメも気になるやつ多すぎて全然消費できてないんだけど、ちみちみ消費がんばってる》
《わざわざリアタイで見るの面倒やしTverも一週間て制限あるからドラマ見る機会が自然と減るんよな。。》

 といった声もXには寄せられている。

「リアルタイムで追うのに疲れてしまい、“TVerで見ればいいや”というドラマ好きも多いですよね。そのため、話題になってもリアルタイムのコア視聴率は伸びないと。分かりやすい例では、石原さん主演の『Destiny』の初回はコア視聴率が2.1%でしたが、TVerの初回見逃し配信再生回数は16日に300万回を突破。これはテレ朝GPプライム帯史上最速です。

 このように、ドラマファンは確実にいるものの、リアルタイムの数字は全く伸びない状況になってきている。木村拓哉さん主演の『Believe』は先日、キャスト登壇イベントが開催され、天海祐希さん(56)や竹内涼真さん(30)、北大路欣也さん(81)など多くのビッグネームの出演が明らかになりましたが、だからといって高視聴率が確実に取れるということはないでしょう。

 同作品はテレビ朝日開局65周年記念作品で、木村さんも“絶対にコケられない”とは思ってはいるでしょうが、ここにきての急速なリアタイ離れの流れに抗うのは、なかなか難しそうですよね……」

 視聴率的には、『アンチヒーロー』以外は“成功”と言える数字が出ていない4月期ドラマ。ここからより多くの視聴者の心を捉えて、“リアルタイムで見たい”と思わせる作品は出てくるだろうか――。