■ゴキブリは「食毒剤」に吸い寄せられないのか?

 ゴキブリ退治のプロである前出の大久保さんが「ゴキブリを出現させない家作りには効果抜群」と話す食毒剤。しかし、食毒剤を室内に置いておくと、ゴキブリはそれを食べに室内をウロつくことになるのでは? 生命力の強いゴキブリのこと、一軒家ならまだしもマンションなどの集合住宅では、隣室から食毒剤を食べにのそのそとやってくる恐れはないのだろうか? その点を大久保さんに尋ねると、

「通常、ゴキブリがエサを感知できるのは1メートル以内。室外からエサを認識することはできません。ですから、食毒剤を室内に置いたからと、それにおびき寄せられて室内に大量のゴキブリが発生するなんてことはないですね」(大久保さん)

 とのこと。そんななか大久保さんはさらに、ゴキブリが出ない家作りをするためには「より重要なポイントがある」と話す。

「整理整頓が何より大切です。物を床に直置きすると、床と直置きをした物との間に5ミリ〜1センチの隙間が生じます。そこがゴキブリの隠れ家となることも……。家庭内の整理整頓が何より大切な理由ですね」(前同)

 クローゼットの中の整理にも気をつけたいという。

「クローゼットの中に重ねて服を置くのではなく、積み重ねられるようなコンテナボックスに服を入れて整理するのが良いでしょう。クローゼットの中に服をぐちゃっと重ねて置けば、その隙間はゴキブリにとって住み心地の良い場所になりますからね」(同)

 水回りの整理整頓も欠かせないという。

「ゴキブリも生物ですから、生きていくのに水も必要ですし、食事だってします。台所の排水溝は生ゴミが溜まっていますし、水もある。それこそ格好の生活場所。排水溝はネットで包んで、そこに溜まったゴミは毎日交換。1日の終わりには熱湯をかけて清潔さを保つと良いでしょう」(同)

 ゴキブリが出ない家作りには、日々の地道な努力が欠かせないようだ。