■明墨の最大の目的は――

 色に関しては、視聴者の声からも分かるように、岩田剛典演じる1・2話の被疑者・緋山にも注目されている。また番組の人物相関図で、レギュラー出演者と同等の枠に配置されていることも、実に意味深だ。

「第2話のラストは、一見すると“緋山は無罪になったが本当は殺人犯だった”というオチに見えます。しかし、実は2話の終了時点で確定していることは、緋山は無罪確定後、返り血を浴びたと思われる衣服を捨てた、だけ。殺人犯だった証拠はありません。

 加えて、第1・2話の事件は緋山が本当に無実という前提で、事件関係者のひとり・佐藤涼(前原瑞樹/31)を疑う声も多い。事件は凶器に付着した指紋が争点になっていましたが、佐藤には“事件現場の家に入ってボールに触ったこともあるのに、指紋が出てこなかった”という不自然な描写がありました。緋山は色の法則と公式HP人物相関図から再登場説が強いし、そこで真相が明らかになるのかもしれませんね」

※画像は『アンチヒーロー』の公式X『@antihero_tbs』より

 そして、主人公・明墨が裁判に求めているものも、第3話で少しずつ見えてきている――という声は多い。

「2話時点では普通に、“依頼者である被告人を無罪にする”ことが彼の目的に見えなくもなかったですが、第3話で明墨は依頼人が有力政治家の息子だったことを利用し、被告人が有罪になる――弁護する自らが負けるのは承知で“権力者が証拠を握りつぶす”という不正を白日の下にさらしています。

 明墨自身は世間に叩かれないよう、“被告人の父が勝手にやったことで自分は知らなかった”ということにして逃げ切りましたが」

 第1・2話で明墨は、検察側が都合の良いストーリーになるように証人の証言を捻じ曲げたり、法医学教授と結託してDNA鑑定の証拠を捏造したことを追及し、裁判を動かした。第3話と共通して言えるのは、“裁判は決して公正とは言えない”という事実を世間に知らしめたことだ。

 そして、本作では第1話から監獄の中にいる謎の男・志水(緒形直人/56)の姿が意味深に描写されていること、明墨が元検事の“ヤメ検弁護士”であることから、

《裁判での勝ちではなく、証拠の隠滅や捏造が行われていることを世の中に報道してもらうことが目的なのか》
《明墨の目的は判決とは別に、証拠隠滅など今や当たり前に行われてる裁判の闇を表沙汰にすることだと思う》
《志水は検事時代に起訴して有罪にした?しかし実は冤罪だったと分かり弁護士になり再審請求しようとしてるのかと考察》

 といった考察がXに寄せられている。

「『VIVANT』は、第1章とも言える『誤送金編』が第4話で完結し、同話で主人公の正体や真犯人など、多くの謎が明らかになる構成でした。同じプロデューサーによる『アンチヒーロー』も、第4話で大きく話が動くと考えられる。1~3話までの伏線が回収され、ようやくドラマの全体像が見える。そしてさらに、また新たな謎が出てきて――という展開が第4話であるのかもしれません」

 今後、『VIVANT』級の盛り上がりを見せるのか――5月5日、子どもの日に放送される『アンチヒーロー』の第4話に注目が集まる。