■快感は『VIVANT』以上か

「ここまで描かれてきた、5つの事件はつながっています。松永理人(細田善彦/36)と富田正一郎(田島亮/36)の傷害事件は、正一郎の父・富田議員(山崎銀之丞/61)が共通。糸井一家殺人事件と連続不同意性交は倉田刑事部長(藤木)が共通。さらに、町工場と糸井一家の事件は、緋山(岩田)がカギをにぎっていそうです。

 これらすべての事件には、おそらく検事正・伊達原(野村萬斎)が絡んでいる。警察、検察、政治家が組んでいる闇の構造をあぶりだすのが、明墨の目的だと思われますが、まだまだ先は読めません」(ドラマライター/ヤマカワ)

 謎をふりまき、どんでん返しを見せて盛り上げるパターンは、同枠で昨年7月期に放送さた大ヒット作『VIVANT』によく似ているがーー。

「『VIVANT』は話がどんどん転がっていくことで驚きの連続を演出しましたが、『アンチヒーロー』は広げた謎を一気に回収にいく構造です。あえていえば集中型。すべての謎がつながったときの快感は、おそらく『VIVANT』以上で、考察ドラマの進化版ともいえます。沙耶(近藤華/16)と桃瀬礼子(吹石一恵/41)の正体など、謎はまだ残っているので、これからが楽しみです」(前同)

 第6話で、明墨は出版社の女性副編集長の弁護を請け負う。彼女はかつて政治家のスキャンダル記事を書いており、次のターゲットは政界になりそうだ。すべての謎がつながるのはいつか? 今後に期待したい。