■鬼気迫る石原の演技が話題沸騰

 映画『ミッシング』を観た女性誌編集者は話す。

「素晴らしい映画だけど2度目は観たくない――そう思わずにいられないくらい、つらいもので、石原さんの演技は真に迫っていました。石原さん演じる主人公は精神的に追い詰められていて余裕がまったくなくて、ちょっとしたトリガーで人目もはばからず錯乱して絶叫したり当たり散らしたり。現実に小さなお子さんがいる石原さんにとっても他人事ではないであろう、リアルな焦燥感でした。

 石原さんは髪をボディソープで洗ってボロボロにしたことを明かしていて、身体を張った役作りをした作品でもありますね」

 現在の石原はショートヘアだが、その理由は『ミッシング』での撮影だったようだ。4月16日の完成披露試写会で石原は「終わった瞬間にショートカットにしました」とコメントしている。

 吉田恵輔監督はあえて《汚れ役のイメージが一切ない人》(映画パンフレットより)である石原を『ミッシング』の主演に起用したが、そのキャスティングは正しかったようだ。Xには、

《悲しみや後悔や苛立ちがスクリーンから発せられてきました》
《間の脆さ、強さを全力で体現する石原さとみが正に圧巻。今年の邦画を語るには絶対に外せない一作と思います》
《ドキュメンタリーかと思うほどの臨場感。役作りのため髪も傷めたという石原さとみの女優魂に感服。演技を超えた心の叫びに震えた》

 といった、石原への称賛の声が多く寄せられている。

※画像は『ミッシング』の公式X『@kokoromissing』より

「結婚前、石原さんはラブコメ作品など、演技力よりも可愛さ、可憐さが求められる役が多く、またそうした部分が人気だったところはあったでしょう。彼女がヒロイン役で出演していた『シン・ゴジラ』(2016)は名作ですが、当時彼女の演技を批判する声も一定数ありました。

 しかし、結婚、出産、育児を経て人生経験が豊かになり、それが演技にも生きている印象を受けます。今後、求められるものの変化も感じているようで、映画『ミッシング』を観ていると作品選びも変わってきているのかと思われます。結婚前が“女優・石原さとみ”の第一形態なら、結婚後が第二形態――そう思わずにいられないくらい、役者として大きく前進した印象を受けます。『ミッシング』は、大きな転換期となったのではないでしょうか」(前同)

 5月18日に行なわれた『ミッシング』の公開記念舞台挨拶で吉田監督は本作を「俺にとっても石原さんにとっても、分岐点になる大事な作品」と評していた。

 結婚、出産を経て、そして現在進行形で育児中の彼女は、明らかにパワーアップして戻ってきた印象。輝きを増す女優・石原さとみ――折り返し地点の主演ドラマ『Destiny』の今後にも、注目だろう。