■『滝沢歌舞伎』と『SHOCK』も終了へ

 ワイドショー関係者は言う。

「ジャニー氏の加害問題とは別の理由もあり、近年、旧ジャニーズでは長年続いてきた舞台が続々と終了していっています。それも含め、どんどんジャニーズ時代の伝統がなくなっていくことにショックを受けているファンも多くいますね」

 現在、TOBEの社長を務める滝沢秀明氏(42)が22年10月末に退所したことで、滝沢氏がタレント時代から演出を手掛けてきた『滝沢歌舞伎』(2010~)は23年4月開催の『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』で終幕。

 KinKi Kids堂本光一(45)が2000年から主演を務めるミュージカル作品『SHOCK』シリーズは、名前を変えつつ毎年上演されていたが、今年、24年11月の公演で終了することが発表されている。理由は“本拠地”である帝国劇場が建て替えのため25年2月に休館すること、光一が24年に45歳の誕生日を迎えて区切りが良いからだと発表されている。

「もちろん、ジャニー氏の加害行為は許されざる、とんでもない卑劣な行ないです。『少年たち』でも、ジャニー氏は逝去後も“エターナル・プロデューサー”としてクレジットされていたのが、23年10月公演『少年たち 闇を突き抜けて』で削除され、ジャニー氏が生前推していた“桶ダンス”のシーンもカットされました」(前同)

 5月15日時点のSMILE-UP.(旧ジャニーズ)の発表では、同社に被害申告をしたのが989人。うち478人に補償内容を通知、424人と合意し、395人に補償金が支払われたという。

 また今年3月にはジャニー氏だけではなく、元スタッフ2名も加害行為を行なっていたこと、昨年9月までに厳正に対処したことを事務所は公表していたが、5月16日にはその件で元所属タレントたち3名が赤坂警察署に捜査を求める申し入れを行なっている。元所属タレントの中村一也氏は《これを解決しないかぎり全容解明には程遠い》と、NHKの取材に回答している。

「ジャニー氏が長年やってきた非道な行ないを考えると、生前に彼が手掛けてきた『少年たち』が終了するのはやむを得ない、当然とも思えます。問題はまだまだ解決しておらず、英国公共放送のBBCの追及があるたびに、新たな事実も出てくるような状態ですよね。しかし一方で、ひとつの歴史が消えていくのは事実で、それに複雑な思いを持っている人もいると。

 今年は1964年にジャニーズ事務所が創業されてから60年という節目の年でしたが、すでに昨年10月に同社の名称は消滅。そして、終了が明らかになっているものに加え、今後も“伝統行事”として親しまれていた舞台やイベントは消えていくのかもしれませんね……」(前同)

 弊サイトは、『少年たち』が再演される可能性についてSTARTO社に問い合わせたが、回答を得ることはできなかった。

 多くのファンを楽しませてきたエンターテイメントコンテンツが消えることは残念なこと。しかし、まだ多くの被害者が苦しんでいるジャニー氏の加害問題を、うやむやにすることだけは絶対に許されないだろう。