「巨人軍は紳士たれ」――そんな言葉とは裏腹とも思える行動が報じられたのは、坂本勇人選手(35)だ。

「坂本選手が暮らす渋谷区を管轄する渋谷税務署が、区内在住のスポーツ選手を対象に納税調査。坂本選手は過去5年間に渡って毎年、銀座や六本木の高級クラブやキャバクラなどの飲食代、およそ2000万円を経費計上していたことが5月16日発売の『週刊新潮』で報じられました」(スポーツ紙デスク)

 個人事業主であることから毎年、確定申告が必要となるスポーツ選手。6億円もの高給を受け取っているとも報じられている坂本選手が、夜の街での年間2000万円もの遊興費を“節税目的”で経費計上していたのであれば問題だろう。巨人軍は同誌の取材に対し《税務署の指導に従い、適正な申告、納税を行う所存です》とコメントしており、“悪質な申告漏れではない”という見解だが――。

 坂本選手が税務署から申告漏れを指摘されたのは、確定申告における経費計上だった。一方、162万円の副業が問題になったのは、岡山県岡山市内の市立小学校に勤務していた20代の女性講師だ。 

「この講師は、動画配信サービス『ツイキャス』でヒット曲を歌い、5年間でおよそ162万円分の“投げ銭”を得ていたとのこと。顔出しはしておらず、得たお金は動画配信用の機材購入などに充てたそうです。税務署から“副業収入”に関する指摘を受けたことで、女性は自ら学校に報告。依願退職というを申し出たとのこと。学校側は副業について把握していなかったとしています」(全国紙社会部記者)

“地方公務員は副業禁止”というルールがあるため、この女性講師も自ら退職の道を選んだようだが、税務署は一個人の「5年間で162万円」というそこまで多くはない“副業収入”までチェックするのかと、驚く人も少なくなかったようだ。

 講師が「脱税」したとは報じられていないが、税金制度に詳しいファイナンシャルプランナーの伊藤亮太氏は弊サイトの取材に対して、「税務署に副業がばれて、勤務先にはばれていなかった」理由を「確定申告をしていないから」だと推測する。

「報酬を支払った側は、その金額が年間で5万円を超えた場合、税務署に“この人にいくら払いました”という支払調書を提出する義務があります。税務署は、報酬を受けた側の確定申告をもってその金額を付け合わせ、きちんと税金が払われているかどうかを確かめます。この際に確定申告書類が提出されていないとなると、脱税しているのでは、と不審を抱くんですね」(伊藤氏)

 動画配信を行なった場合、視聴者からの投げ銭は配信会社からの報酬という形で配信者へと振り込まれるという。会社員の場合、年末調整を受けた際に給与所得以外の所得が20万円以下の場合、原則確定申告はしなくていいというルールがある。

「この女性は5年間で162万円なので、単純計算で年間の収入が20万円は超えており、確定申告をしなくてはいけない立場だったと。一方で配信会社は、税務署に支払調書を提出しているはずですから、そこで税務署が講師の無申告に気づいたのでは。

 では学校側はどうかというと、もし確定申告をすると、その収入を含めて算出された住民税の通知が勤務先へと届きます。すると、勤務先のほうで税金の多さから、その人の副業に気づく。確定申告をしていなかったら、勤務先は気づきません」(前同)