■『花咲舞』は“2代目”の宿命、『街並み』は制作経緯が低視聴率の原因か

『花咲舞』は、堺雅人(50)主演の『半沢直樹』(TBS系)シリーズの作者・池井戸潤氏の小説が原作のドラマ。2014年4月期と15年7月期には(38)主演で実写化されている。

「杏さんが超ハマり役だったのでどうしてもハードルが上がってしまい、比較されてしまった。そのために、今田さんの『花咲舞』は伸び悩んでいるところがありますよね」(前出の制作会社関係者)

 一方の『街並み照らすヤツら』は、当初違うドラマを予定していたが制作ができなくなり、突貫工事で作ったドラマとして知られる。

※画像は『街並み照らすヤツら』の公式X『@machinami_ntv』より

 日テレは、この4月期の「土ドラ10」枠では“小学館の漫画原作のドラマ”を放送する予定だった。一部ではムロツヨシ(48)が主演、西炯子氏の漫画が原作の『たーたん』だったと報じられている。

 しかし、23年10月期に同局が『セクシー田中さん』(小学館)を実写化した際に、原作者の漫画家・芦原妃名子さん(享年50)と原作改変を巡るトラブルが勃発し、今年1月に芦原さんが逝去する事態に。重く受け止めた日テレは2月22日に“小学館の漫画原作のドラマ”の制作見送りを発表し、3月21日に『街並み照らすヤツら』の制作を発表――という流れがあった。

「『街並み照らすヤツら』は、脚本作り、キャスティング含めて超急造だったのは間違いなく、舞台がシャッター商店街でスケール感が小さかったり、俳優陣も分かりやすく数字が狙えるスター的な存在がいなかったりと、全体的に弱いドラマになってしまいましたよね。

 日テレは、バラエティでは他局の追随を許さない“コア視聴率王”ですがドラマは伸び悩んでいて、特に現在、土9・10枠は深刻。現状のような数字が続くのなら、ドラマ枠の存続も危ういでしょう。この状況を打破するためにも、次の7月クールに小芝さんと福原さんという2大国民的女優を主演に投入し、枠の復活に賭けるところがあるのではないでしょうか」(前同)

 日テレは5月31日、『セクシー田中さん』の原作者・芦原さんが急逝した件の社内特別調査チームによる調査報告書を公表したが、識者を含め多く人から“反省していない”という厳しい意見が多数寄せられる事態となっている。

 強い逆風が吹く日テレドラマ――そのなかでも特に危うい土曜日の枠を、小芝と福原、2人の国民的女優は牽引できるだろうか。