■世界各地で大人気『SASUKE』は「ロス五輪」種目に

 古くはTBSの『SASUKE』の海外版が165の国・地域で人気を博し、日本テレビの『¥マネーの虎』はイギリスBBC、アメリカABCでシーズンを重ね、40の国・地域でいまだに根強いファンがいる。

「2028年のロサンゼルス五輪では『SASUKE』をもとにした障害物レースが“近代五種”で行なわれる競技の1つとして採用されることとなり、“ミスターサスケ”として根強い人気を誇る山田勝己さん(58)も誇らしいでしょうね」(前出の制作会社関係者)

 その『SASUKE』のベースになったとされる『風雲!たけし城』(TBS系)も世界各地で大人気。2023年4月よりビートたけし(77)、バナナマンらが出演する令和版『風雲!たけし城』がPrime Videoで配信されている。

※画像は「Prime Video(プライムビデオ)」の公式X『@PrimeVideo_JP』より

「テレビ東京の『家、ついて行ってイイですか?』も中国版が制作されていますし、ドラマではテレビ朝日、フジテレビで放送されてきた『白い巨塔』は韓国でリメイクされました。Prime VideoやNetflixで海外の人が日本のアニメをはじめ、ドラマ、バラエティ番組などのコンテンツに触れる機会も格段に増えてきました。もちろん逆もしかりですが。

 幼い子どもだけで買い物に行ってもらう『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)も2022年よりネトフリで190か国に向けて配信され、“我が国ではあり得ない”といった反応を含め大反響を呼びましたね。

 Prime Videoやネトフリなどのプラットフォームに配信するのも大事ですが、やはり番組のフォーマットを買ってもらって現地版がその国や地域に根づくというのが、より世界的な広がりを感じさせますよね。

 そしてやはり、今、各局が“番販”に力を入れる最大の理由は、超のつく円安だからだといいます。海外からの評価が高い番組を売って、外貨を稼いで大きな売り上げにする――従来の稼ぎ方ではなかな収益が得られなくなっているからこそ、円安状況も味方につけるようにして、海外からお金を得るということですね」(前同)

 テレビ各局が注力するという“番販”。『SASUKE』のように、日本初のコンテンツが世界中で愛されるようになり、それが発案者にも還元されるような仕組みになれば素晴らしいことだが――。