■東京・新大久保には長蛇の列が

長蛇の列を作るARMYたち

 12日、ジンの除隊を“勝手に”お祝いする新大久保のカフェを訪れてみると午前11時のオープン前、すでに20名以上のARMYと呼ばれるBTSファンが列を作っている。2軒のカフェが並んだこの場所では、1店舗でジンの除隊イベントを、もう1軒でBTS11周年イベントを開催している。年齢層は、BTSとともに年を重ねた30~40代がほとんど。

 入場を待つ間に、事務所に戻ったジンのLIVE配信が始まった。世界中のファンが同時にアクセスをしているためファンダム・コミュニティーにネットがつながりにくいようだ。

 それぞれが画面を食い入るように見つめるなか、待機客のひとりが接続に成功したのか、「キャー!」と雄叫びを上げる。それを合図に、待機客全員が先ほどまで見向きもしなかった人のスマホに殺到し一時大混乱に陥った。

 事態が収拾したところで10名ずつが店内へ。入場料1000円で、ワンドリンクと気の利いたグッズがセットになっている。店内にはジンの写真が100枚以上、所狭しと貼り付けられていて、展示の最後にはカフェ自作のオリジナルグッズが販売されている。誰もがグッズを手に取らずにはいられない動線となっているのはさすがだ。

 ARMY歴6年目という古参ファンにジンについて話を聞くと、

「入隊前はジンが兵役に行くことには大反対だったんです。でも、入隊時期を延期していたらきっと世間は快く思わなかったでしょう。メンバー全員が同じような時期に入隊したことは結果的にとてもよかったと思っています。それに1年半はとても長いと思っていましたが、1年を過ぎた頃から、もうすぐ帰ってくるじゃん! という感じでした。除隊する姿を見れてとても幸せです」

 と語ってくれた。

ジンの除隊をお祝い

 翌日13日、ジンはソウルの蚕室(チャム シル)室内体育館でファン1000人を招きハグイベントを行なった。ボーダーのニットシャツを着たジンは、首に“アナジョヨ”(抱きしめて)というパネルをかけて登場。

「本当に久しぶりです。このイベントをずっと前から温めていたんですけど、本当に実現できてよかったです。軍隊に行ってからは人見知りになってしまい、皆さんの前に立つのは緊張しますが、こんな僕を受け止めてください」

 と挨拶をした。

 当初は写真撮影が禁止されていたものの、ジンがスタッフに掛け合い、撮影ができるようになったことで、ハグイベントの様子がSNSを通じて瞬く間に広まった。

 ほとんどの人はルールを守りハグイベントを楽しんだが、一部ではジンの隙をついてキスを強行するなどトラブルが多発。この様子を見たイベント不参加のファンからは、1000人に選ばれなかった怒りも手伝ってか非難が殺到。ジンも「配慮が足りなかった。申し訳ない」と謝罪する事態に発展した。

 軍を除隊したはずなのに、味方であるはずのARMYが本当のARMY(戦士)に豹変したと言える瞬間だったのかもしれない。可愛さ余って憎さ百倍。これもモテる男の性なのだろう。

 韓国では軍隊に行って初めて男として認められるという。一皮剥けたこれからのジンに注目だろう。