■なぜ「FRISKドリンク」を開発しようと思ったのか

自販機でも売られている『FRISK SPARKLING』  撮影/編集部

 ダイドー・マーケティング部部長の坂本さんによれば、SNS上で賛否を呼ぶ『FRISK SPARKLING』は“FRISKありき”で開発された商品ではないのだという。構想が立ち上がったのは3年前、まだコロナ禍のことだった。

「コロナ禍の生活はもちろん、コロナ禍が開けた後のことを考えても、今後ますます“心身のケア”が大切になってくるだろうという予測がありました。そうしたとき、飲料がもっともっと社会に役立てることはないかと。飲んだ人の気分転換、気持ちを切り替えて前に進んでいくような役割が果たせる飲料ができないかなという発想で、研究・開発をスタートさせました」(坂本さん)

 そこで、“爽やかで、リフレッシュできる商品”として企画されたのが、ミント系のドリンクだ。ただし、単なるミントフレーバーでは物足りない。欲しかったのは、わかりやすくリフレッシュのきっかけになるような体験で、“刺激”と“おいしさ”とのバランスを追求したという。

「試行錯誤を繰り返し、社内的に刺激とおいしさのいいバランスができてきたとなった時に、この商品をより分かりやすく伝えるためには、どこかとコラボレーションする選択肢もあるんじゃないかという案が浮上しました。そしてリフレッシュと、清涼感、刺激といったこの飲料のコンセプトにぴったりだなと思ったコラボ相手が、『FRISK』ブランドだったというわけです」(前同)

“SHARPENS YOU UP”(あなたを冴えさせる)をキャッチコピーに、ミント系の刺激が根強い人気を誇るタブレット菓子である『FRISK』。ダイドーは『FRISK』を展開するペルフェティ・ファン・メレ社に自社開発したミント系飲料を持ち込み、『FRISK』ブランドとコラボできないかという構想をプレゼンした。つまり、ほぼほぼ中身ができあがってから『FRISK』に話をしたという流れであり、先にドリンクで『FRISK』を再現しようと思っていたわけではないというのだ。