■クドカン脚本の良さがいきていない?

 批判的な意見としては《かなりとっちらかってるのを役者陣の力量でなんとか見れた》《クドカンなりの街に対する愛情はあるけど、そこで繰り広げられるエピソードがどれも倫理的にアウト》《クドカンドラマはTBSだと調和してるけど、フジにはフジの空気みたいなのがあって、ガチャガチャしてるのがスッと入れなかったな》などで、演出、構成に関するものが目立った。

「とっちらかるのはクドカンの脚本ならではですが、それでもエピソードをつなげてみると、物語に一体感が出てくるのが魅力です。しかし、本作はそれがなく、各エピソードを並べただけの印象で、ひたすらガチャガチャしている。おそらく脚本と演出の呼吸が合っていないんです」(ドラマライター/ヤマカワ)

 クドカン脚本のドラマといえば、TBSの演出家・金子文紀氏とのタッグが有名だ。ヒット作となった『ふてほど』も、タイムスリップやコンプラ問題など、一見、ゴチャゴチャした描写をうまくまとめ、最後は親子関係という軸になるメッセージを提示していた。

「フジテレビのクドカンの前作『ロケット・ボーイ』(2001年)で演出を担当した、河毛俊作氏の熱烈オファーで再タッグが実現しましたが、なかなか“あ・うん”の呼吸になっていないのでしょう。回を重ねてこなれてくれば、それも解消されると思いますが、このままの状態が続くと、視聴率もジリ貧になりそうです」(前同)

 トー横キッズ、ホスト、キャバ嬢、ホームレス、外国人難民など、歌舞伎町のリアルを描写する内容が話題となったが、本作はそれ以外のところでつまづきそうだ。次回も臼田あさ美(39)がトー横キッズの母親役に挑戦するなど、豪華ゲストが続々と登場するようだが、今後、どう変わっていくか注目したい。