いよいよ夏本番となる7月を迎えた日本列島。7月最初の週末を迎えた東京では、夕方、雷をともなう大雨に襲われた。想定外の激しい雨に傘を持っていない、あるいは持っていたとしてもあまりの雨足に足を止め、雨宿りをする人の姿も駅の出入り口では目立った。
「東京では、6月21日に梅雨入り。しかし、雨も大して降らず、からっと快晴の日もあり、“梅雨はなくなったのか!?”という声も上がっていました。
日本の梅雨といえば“ジメジメした長雨”というイメージが根強く、夕方に降る激しいにわか雨(夕立)は夏の終わりの風物詩として親しまれてきましたよね。しかし近年、梅雨とは思えない良い天気の日があったり、シーズンに関わらず激しい降り方をする雨も増えており、気候の変化を強く感じている人が多くいますよね」(夕刊紙記者)
実際、気象庁が公表している統計データによれば、1時間の降水量が50mm以上および同80mm以上となる大雨の年間発生回数は近年上昇傾向にある。
弊サイトでは、夕方のニュース番組『Nスタ』(TBS系)などへと出演してきた現役最年長気象予報士の森田正光さんに、梅雨について、さらに雨の降り方が変わってきている背景およびその対処法について話を聞いた。
「ここ30年間、年間降水量はそれほど変わっていないんです。一方でたしかに強い雨が降る回数は多くなっていて、1時間に80mm以上の雨が降る回数は30年前に比べると倍近くになっている状態です。ですので、梅雨の雨の降り方が変わってきたと、生活者の方が感じるのは“あっている”んです」(森田さん)
それでは夕方、豪雨が降るのはどういう場合か。
「たとえば7月最初の週末に大雨に襲われた東京のケースでいうと、昼間の気温が34~35℃と猛暑日でした。日中の気温が暖かいと空気が上昇して大気が不安定になり、突然の大雨が降るということが起こりやすくなるのです」(前同)
気温が上がると空気の中に含まれる水蒸気量が多くなり、それが雨になるという仕組みだ。森田さんは「最近は梅雨シーズンも平均気温が上がっているので、激しい雨が降りやすくはなっている。だから、昔の梅雨と今の梅雨では、雨の降り方がちょっと違ってきたかなという印象を持つ人は多いと思います」と話す。