■ゲリラ豪雨に遭遇した時の“正解”は……

 近年は、突然の大雨で人々を苦しめることも少なくない梅雨。そんな梅雨には“陽性”と“陰性”があるそうだ。

 陽性の梅雨は晴れの日と大雨の日の落差が激しいパターン。陰性の梅雨は、気温が低い日が続き、じとじとと降る長雨の日が続くパターンだ。前出の気象予報士・森田さんによれば、「今年は“陽性型”なので、快晴の日といきなり大雨という日など、日によって天気の変化が大きい」とのことなのだ。

 それでは、いきなりの大雨となるゲリラ豪雨を予測することはできるのか。

「太平洋高気圧は大体10日ぐらいで強まったり弱まったりするんですね。だから今が少し気圧の強い時期であれば、この後少し気圧が弱い時期がやってくるから雨が降る日が続くな、と考えられる。そういう予測をもって天気予報を聞くようにしたり、雨雲の動きをリアルタイムで把握できるアプリもありますから、そういうもので数時間後の雲の状態を見ることはできます」

 ただし、実際大雨が降ったときの“正解”は「諦める」だという。

「台風や低気圧による雨は1日続きますが、雷雨は1時間ほどで、何時間も続きません。だからもう雨が降ったら雨宿りをしてやり過ごす。事前に”この後、雨が降る”ということがわかれば、その時間はじっと動かずに時間を有効活用するのも一つの手です」

 気象庁は、今年の関東甲信の梅雨明けを7月19日ごろと予想している。梅雨が明ければいよいよ猛暑の本番がやってくるが、豪雨も猛暑も、対策にあたっては可能な限り事前に気象情報をチェックしておきたい。

森田正光
950年名古屋市生まれ。財団法人日本気象協会を経て、1992年初のフリーお天気キャスターに。同年、株式会社ウェザーマップを設立。親しみやすいキャラクターと個性的な気象解説で人気を集め、テレビやラジオへの出演多数。講演活動も精力的に行うほか、環境問題や異常気象についての分析にも定評がある。