「意地悪ベンチ」という言葉をご存じだろうか。近年、SNS上で注目を浴び、度々注目を浴びる単語だ。
「座面に仕切りがあったり、突起物がついているなど座りにくくなっているベンチを指します。公共の場に置いてありながら、訪問者に長くはくつろがせないという意図を感じさせることから“意地悪ベンチ”あるいは“排除ベンチ”と呼ばれるようになりました」(夕刊紙記者)
これらの“意地悪ベンチ”は若者やホームレスが、住宅街周辺の公園などに長くたむろしないようにとの意図で設置されていると見る向きもある。現に今年の3月、東京の新宿区立さつき児童遊園内にある座面がアーチ状のベンチが「意地悪ベンチ」としてX(旧ツイッター)で話題になると、その声は吉住健一新宿区長にまで届き、区長は自身のXで《ホームレス対策ではなく住宅地における夜間の騒音防止です 地元からの苦情はありません》と、わざわざ釈明するという騒動まであった。
そして7月14日、《もはや「意地悪」の限度を超えている》としてあるXユーザーが投稿したのは、仕切り付きの3人がけのベンチに対し、2人分の座面にはソフトコーンがくくりつけられ、まったく座れないようになっている写真だ。
そもそも仕切りがついており、ベンチの上で寝転がったり、横に足を伸ばしたりといったことができないようになっているタイプのこちらのベンチ。それにもかかわらず、さらにその上には高さのあるソフトコーンが取り付けられ、“絶対に座らせない”という無言の圧を感じさせるベンチの写真が、SNS上に投稿されるや閲覧230万弱と大反響。
投稿したユーザーは、
《以前はこんなふうにソフトコーンがベンチに固定されていなかった。後方の「夜間は会話を控えてください」の立て看板から推測すると、近隣住民からクレームが入った結果だろう》
と推察しており、X上でも《夜中にデカい声でしゃべる奴が後を絶たないんだろうな》《新宿区を非難するのではなく、迷惑な人達をなんとかするほうが先》などと理解を示す声があがっているが、《ここまでやるなら撤去すればと思っちゃう》《座れないベンチは何の為にあるんだろう》といった疑問の声も多い。
いったいこのソフトコーンはいつ、どういった理由でつけられたのか。弊サイトは、ベンチの管理を行なう新宿区を直撃した。