■好調だが『silent』級の爆発力は現状ない
「コア視聴率は、初回(1日)の2.9%に続いて3%弱。これは決して悪い数字ではありません。近年のフジ月9ドラマは2%に満たない作品もある大苦戦続きの枠ですからね。
過去数作と比べると間違いなく数字は取れてはいるのですが、フジ上層部は、ヒットメーカーが集結した制作陣に加え、有村架純さん(31)、大竹しのぶさん(66)、池松壮亮(34)など一流俳優陣が揃った『海のはじまり』に『silent』級の大成功を期待していたのではないでしょうか。『silent』は毎回4~5%を取っていましたからね。数字が爆発的には伸びていない理由は、2つ考えられます」
1つはテーマ。
「本作は“親子の愛”を描く作品。『silent』は、男女の恋愛を前面に押し出すラブストーリーではなかったですが、それでも恋愛を中心においたヒューマンドラマだった。やはり、連ドラでは恋愛ドラマは強いですよね。ライト層にとってもとっつきやすさもあるし、ましてや、数多くの恋愛ドラマを放送してきた“月9枠”ですからね。
『海のはじまり』は、“ドラマ好きな人”はハマりそうですが、普段ドラマを観ない層にはハードルが高めかもしれません」
2つ目の理由は“シナリオの重さ”だ。
視聴者からは、
《あかん!!!まじで全シーン重い!!!こっちが持たん!!!!!》
《色々と頭の中で重なる事が多くて、やっぱり重いなぁ…っていうのが正直な気持ち。演者さんの演技が上手いから、その世界観に入り込んじゃうから、余計に重いんだろうな。この感情をどう言葉にしていいか分からない》
《わたしは適度にポップな、でもトンチキじゃない、ハッピーな月9が観たいです。これは木10枠(※『silent』の枠)でお願いします》
といった声が多く寄せられているのだ。
#海のはじまり
— 『海のはじまり』月9ドラマ【公式】 (@umi_no_hajimari) July 15, 2024
「水季の代わりにはなれないけど、一緒にはいれる」
「じゃあいて」
海と一緒に過ごす時間を多く持つことにした夏
少しずつ生まれる変化によって動き出すそれぞれの想い
そして、弥生の過去の出来事が、弥生の言葉で語られます
第4話は7月22日(月)よる9時放送 pic.twitter.com/o3J4SRQuDz
「しっかりと脚本や演出が練り上げられていて、役者の演技も素晴らしくて良い作品には違いないのですが、仕事始めの月曜日の夜、楽しく見られる作品かと言われるとちょっと……なところはありますよね。ただ、やはりクオリティは映画級。今後のストーリー展開次第では、爆発的に視聴者を増やす可能性はあるでしょう」
次は、明確に苦戦している2つのドラマだ。これらは放送前から枠の関係もあり苦戦が予想されていたが、下馬評は覆せていないようだ。
■『ビリオン×スクール』(フジテレビ系/金曜夜9時)の第2話(12日放送)…コア1.3%
■『笑うマトリョーシカ』(TBS系/金曜夜10時)の第3話(12日放送)…コア1.5%
『ビリスク』はHey!Say!JUMP・山田涼介(31)が主演で教師役の学園ドラマ。『笑うマトリョーシカ』は、櫻井翔(42)が物語のキーマンである政治家を演じる、水川あさみ(40)が主演のヒューマン政治サスペンスドラマ。どちらも超強力なコンテンツの『金曜ロードショー』(日本テレビ系)が真裏にあるため、苦戦は必至と言われていた。
「山田さんも櫻井さんも、演技は非常に好評です。『ビリスク』の山田さんは、彼のビジュアルだからこそ成立する、漫画から飛び出したような俺様キャラ。『マトリョーシカ』の櫻井さんは、表面上は善人だけど笑顔もセリフも何もかもが嘘くさくて、実に不気味な政治家がぴったりとハマっている。ただ、『金曜ロードショー』の強さを上回ることは難しかったと。GP帯でコア視聴率1%台というのはかなり厳しい数字です。
7月5日、12日と『金曜ロードショー』では、大ヒット映画の『キングダム』シリーズが放送されていて、7月19日にはディズニー&ピクサーの号泣必至の『リメンバーミー』、8月2日には同じくディズニー&ピクサーの大人気シリーズ『トイストーリー2』が放送される。まともに戦うのはちょっとキツいですよね……」