七夕の日に投開票が行なわれた首都・東京の首長を決める東京都知事選。今回の選挙では小池百合子氏(72)が、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元参院議員の蓮舫氏(56)らを抑え3選を果たした。今や、当たり前となった女性の社会進出。政財官と各界で女性の活躍が推進されるなか、社会の中で広い理解が求められているのが生理(月経)だ。

「働く女性のための制度として、生理休暇が会社にはありますが、制度として活用されているケースは多くはありません。現在放送中のNHK連続テレビ小説虎に翼』第68話(7月3日放送回)では、生理が重たい主人公の寅子(伊藤沙莉・30)が“これだから女は”と言われたくないがためにつらい身体を押して通常通り働く姿が描かれ、SNS上では“取得しにくい”生理休暇の存在意義を問う声も上がりました」(女性誌編集者)

 そもそも生理休暇とは、昭和22(1947)年、労働基準法で定められた法定休暇である。「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とされ、取得日数の上限はない。なお、生理休暇が有給か無給かは企業の判断に委ねられる。 

『虎に翼』放送後のX(旧ツイッター)には《ぜんっぜん浸透してないじゃん》という声が噴出するなど、今や“あってない”ような存在となった生理休暇だが、厚労省の調査では、昭和35(60)年には19.7%、昭和40(65)年には26.2%と1960年代には2割程度の取得率があったという記録が残っている。

 しかしその取得率は、昭和51(76)年には13.4%、昭和60(85)年には9.2%と急降下。さらに平成9(97)年度には3.3%、令和2(2020)年度になると0.9%と1%を割り込んだ。社会に出る女性が年々増えているのとは裏腹に、制度は形骸化する一方という実態がある。

“生理休暇離れ”が起こった背景には何があるのか。

 弊サイトの取材に対し、女性産業カウンセラーの阿久津まどかさんは生理休暇取得率の減少理由として、女性の働き方の変化と生理のつらさを軽減するアイテムの普及を挙げる。

「1960年代でも、寅子のように社会に参加してバリバリ働く女性は少数派。女性が働くといえば、いわゆる“女性性”を前面に打ち出した仕事が多かった時代には、生理休暇も当たり前のものとして取りやすかったのではないかと推察できます。

 それが女性の社会進出という機運の高まりとともに、生理がつらいということを主張できない雰囲気が漂い始めたのではと。あわせて、生理用品の改良や鎮痛薬の普及などで、ある程度、平常時と変わらずに過ごせるようになってきたことも大きいと思います」(阿久津さん)