■かびるんるんとドキンちゃんを従えて
「高スキルな人材は、組織の士気を上げるのに有効です」
そう話すのは、『ブロードマインド株式会社』で採用担当を務め、数多くの人材を見出してきた野間慎司氏。
「“ああなりたい!”とロールモデルになる上司や先輩がいたら、社内でもモチベーションが高まり、職場に良い影響を与えるでしょう」(前同)
作品を観れば、自ら機体を操縦できる現場能力を持ち合わせながら、“仲間の統率力”を兼ね備えているのもわかる。
「ばいきんまんの仲間に『かびるんるん』というキャラクターがいます。大勢で動き、ばいきんまんのスパイ活動やメカの操縦をしていることも多いですね」(前出の愛好家)
この点において、前出の野間氏は、ばいきんまんがチームにおいて重要な存在であると指摘する。
「仲間のかびるんるんへ的確に仕事を割り振ることができる、優秀なプロジェクトマネージャーだといえますね。彼自身が“打倒アンパンマン”というゴールを誰よりも信じているからこそ、仲間が共通のゴールと認識して働けるのではないでしょうか」
かびるんるんたちがばいきんまんと大喧嘩の末に家出をしたときは、心配して様子を見に行くエピソードも。チームを大切にしていることも伺えよう。
そしてなんといっても、ばいきんまんの魅力といえば、“度量の広さ”。あの『ドキンちゃん』のワガママにも柔軟に対応している。
「ドキンちゃんは『しょくぱんまん』が大好きで、ばいきんまんとは恋仲ではないんです。なのに、彼は“お腹がすいた”と言えばご飯を持ってきますし、大好きなドキンちゃんに尽くしていますよね」(前出の愛好家)
野間氏は、ビジネスの場でもこの人間的度量が活かせると語る。
「チームの目的を達成できるか否かで線引きをしっかりする必要はありますが、部下や同僚たちが新しいアイディアを見つけるためには、上司はじめ周囲の懐の深さが大きく関わってきます」
また、昨今の若者が求める理想の上司・先輩像と、ばいきんまんとの共通点があると分析する。
「上に立つ人間からしてみると、現代は“部下への指摘がハラスメントになりかねない”と、事なかれ主義になりやすい時代。しかし、若者は指導してもらいたい。自分の考え方や価値観に理解を示しながらも、適切なフィードバックをくれる上司を求めているのです」(前同)
ばいきんまんがサラリーマンだったらどんな活躍をしてくれるのか、野間氏に総括してもらった。
「身につけたスキルを現場で発揮しながら、同僚のまとめ役かつ、後輩への気配りも忘れない。現場をやりながら管理もできるまさに“スーパーマン”ですね(笑)」
理想の上司・ばいきんまん。大人になってからも彼から学ぶことは多そうだ。
野間慎司
ブロードマインド株式会社 人事総務部・採用担当。 大学卒業後、2016年にブロードマインドへ入社し、FPとして個人のお客様のライフプラン設計から金融商品のご提案まで行う。2018年4月に人事総務部へ異動。採用担当として戦略立案から実行までを一貫して担う。毎年100名ほどの学生と個別面談を行い、ミスマッチの無い採用を目指している。