夏本番を迎え、新型コロナウイルスが再び、猛威を振るっている。
「厚生労働省が発表した新規感染者数は10週連続で増加しています。7月8~14日の感染者数は5万5072人。昨年同期を超え、医療関係者は“すでに第11波に入った”と警戒を強めています」(医療ジャーナリスト)
空気が乾燥する冬ではなく、酷暑の季節にコロナが急増しているのはなぜか。
「昨年もそうでしたが、室内の滞在時間が増える梅雨の時期から感染者が増え始め、冷房の利用で換気不足となる夏にさらに増加する、という負のサイクルです。加えて、コロナの5類移行により、脱マスク、ワクチン接種の軽視、手洗い習慣の徹底不足などが起きている点も無視できないでしょう」(前同)
予防医療学の専門家で、現役医師でもある岡田正彦新潟大学名誉教授(医学博士)は、“コロナ11波”についてこう語る。
「今回流行しているコロナウイルスはオミクロン株から派生した『KP・3』です。あまり重症化しないものの、“話すだけでもうつる”と言われるくらい、感染力が強力です」
発熱と強い喉の痛みが特徴で、ときには40度近い発熱も伴う。
「橋下徹元大阪府知事(55)も7月半ばにコロナに感染したそうです。すぐに39度を超える発熱があり、のどの痛みも激しかったと語っていました」(前出の医療ジャーナリスト)
橋下氏は病院で処方されたコロナ治療薬『ゾコーバ』により、幸い早期に回復したという。だが最近、医療の現場では、PCR検査やコロナ治療薬を断る患者も少なくないという。
「昨年5月にコロナ感染症が5類感染症に移行し、自己負担額はPCR検査で3000円程度、コロナ治療薬は2~3万円にもなります。重症化のリスクが低いこともあり、コロナの疑いがあっても、医院に行かず、自力で回復を待つ人も増えています」(前同)
では、いざコロナの罹患が疑われる際、どのような薬を服用すればいいのだろうか。
「コロナ感染症の熱や痛みを抑える薬として、私は『アセトアミノフェン』が入った鎮痛解熱薬を勧めます。同じ鎮痛解熱薬でも、『非ステロイド性抗炎症薬』は、胃などに副作用が出る可能性があるからです。
さらに発熱によって、食欲不振、下痢など、胃腸にダメージを受けることも多いので、一般的な総合胃腸薬も備えておくといいでしょう」(前出の岡田氏)