■喉の炎症に『龍角散』、脱水症には『ポカリスエット』

 ドラッグストアなどで購入するならば、以下の市販薬となる。

「アセトアミノフェン入りの鎮痛解熱効果のある市販薬には『カロナール』『タイレノール』などがあります。総合胃腸薬では、食欲不振や便通などを改善する『第一三共胃腸薬s』がいいです」(薬剤師)

カロナール ※画像は「第一三共ヘルスケア」HPより / タイレノール ※画像は「JNTLコンシューマーヘルス株式会社」HPより

 また、『KP・3』の特徴である、つらい喉の痛みや咳に対しては、

「うがい薬の殺菌成分が喉の炎症を和らげる『ヴイックス メディケイテッドドロップ』や、昔ながらの生薬を使っている『龍角散』がいいと思います」(前同)

ヴイックス メディケイテッドドロップ ※画像は大正製薬製品情報サイトより / 第一三共胃腸薬s ※画像は「第一三共ヘルスケア」HPより

 また、スポーツドリンクやゼリー飲料も活用したい。

「脱水症対策に『ポカリスエット』などのスポーツ飲料、食欲がなければ『ウイダーinゼリー』などゼリー飲料もいいです。ビタミンやブドウ糖など、栄養補助に特化したゼリー飲料もありますから、症状に合わせて選んでください」(同)

 ただし、これらを活用しても体調が戻らなければ、すぐに病院で診察を受けてほしい。

「市販薬では症状の改善が見られず、呼吸苦などの症状があれば、ただちに、医師の診察を受けるべきです。パルスオキシメーターも備えておくと安心です。血中酸素飽和度93%を切ると、肺炎の疑いが濃厚です」(前出の岡田氏)

 昨年は8月下旬に感染者数のピークを迎えた。まだまだ油断は禁物だ。

岡田正彦
新潟大学名誉教授。医学博士。
1946年京都府に生まれる。1972年新潟大学医学部卒業。1990年より同大学医学部教授、医学博士。米国学会誌 IEEE Transactions on Biomedical Engineering副編集長、学会誌『生体医工学』編集長などを務める。1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」 受賞。専門は予防医療学、長寿科学。