■「重いテーマ」で視聴者離れか

 そんな有村の演技も光る『海のはじまり』は、スタートから4週連続でXのトレンドで世界1位になるなど話題性は抜群だ。だが、視聴率の面では少々苦戦を強いられているという。

 制作会社関係者が話す。

「注目されているし、素晴らしい作品ではあるのですが、数字的には想定外に苦戦していると言えそうです。現在、テレビ各局は13~49歳のコア視聴率を重視していますが、7月1日初回のコア視聴率は2.9%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。ここから上がっていくと見られていたものの数字は下落していき、7月15日の第3話は2.4%だったんです」

 同じ制作陣が手掛け、目黒の出世作となった『silent』はコア視聴率5%ほどを取っていた。

「『海のはじまり』は月9枠での放送ですし、大竹しのぶさん(67)や池松壮亮さん(34)などキャストも一流ぞろい。フジ上層部も“最低でも『silent』くらいは取れるのでは”と期待していたのではないでしょうか。しかし現状は2%台中盤で下落傾向にもある。これは想定外だったのではないでしょうか。

 ドラマは恋人の死や中絶など、重いテーマを描いていることもあり、早々に離脱してしまう視聴者もいましたから、そのあたりが影響しているのかもしれません」(前同)

※画像は『海のはじまり』の公式X『@umi_no_hajimari』より

『海のはじまり』の視聴者からは、

《TVerで観たけど相変わらず重い話だわ…》
《海のはじまりが、思っていた以上に重い》
《『海のはじまり』見てるけど辛くて悲しいドラマ 傷ついたり切なくなる 見るの結構勇気いる》

 などのコメントが寄せられている。

 視聴者の声を受けてだろうか、プロデューサーの村瀬氏は7月15日にXを更新し、《弥生の想い、朱音の想い。みんな、つらい。でも…。次のロールは、じっくり、ゆっくり見て頂きたいです。ぜひ…》と異例の呼びかけをしたことも話題を呼んだ。

「ストーリーも俳優陣の演技も、そして美しい映像も素晴らしい。しかしながら、重いテーマを描いていることもあり数字が伸び悩んでいると考えられます。

 ただ、見逃し配信は第1話に続き、第2話も400万再生を突破。これは月9史上初だといいますし、TVerのお気に入り登録者数は150万人超と、夏ドラマでも断トツの数値です。『海のはじまり』が、夏ドラマの話題の中心にある作品なのは間違いない。リアルタイムで見るのが、つらいということなのでしょうか……」(同)

 目黒、有村を始め、出演俳優陣が素晴らしい演技を見せてくれている『海のはじまり』。中盤以降の巻き返しに期待がかかる――。