連日30度を超える気温が記録され、猛暑が続く日本列島。そんな中、現在、小学校高学年から中学生を中心に学校内で増加しているのは“長袖を脱がない子どもたち”だという。

 東京都内の公立小学校に勤務する40代の教員が話す。

「近年真夏でも長袖を着たままの子が増えました。外気が30度以上ある中で、室内は冷房が効いており寒暖差が激しい。寒暖差対策として真夏でも長袖を着用する子が増えているのかな? と、当初は思っていました。しかし、体育の授業でグラウンドに出ても生徒たちの中には中々、長袖を脱がない子どももいる。真夏ですし、こちらも暑くないのかな? 熱中症は大丈夫なのかな? と不安にもなったのですが……」

 小・中学生を中心にコロナ禍以降、「長袖やマスクを着用したまま学校生活を送る子が増えた傾向にある」と弊サイトの取材に話すのはウォブクリニック中目黒の高瀬聡子院長。

「見た目を重視する傾向がコロナ禍で助長された可能性はあります。たとえば、マスクを着用すれば口周りは目立たない。体毛が気になる子は長袖を着れば隠せます。そうした子が、夏でも長袖を脱がない傾向にあるのでしょう」(高瀬院長)

 高瀬院長はさらに、近年、若年層からの脱毛に関する相談が増加しているとも語る。

「先日も小学校5年生のお子さんが脱毛をできないかと相談に来られました。相談に来られる男女比は1対3といったところでしょうか。男の子もすね毛が気になると、脱毛を希望する子は少なくありません」(前同)

 巷では「キッズ脱毛」と呼ばれる小中学生向けの脱毛治療。近年日本を席巻するK―POPブームも10代の若者の間で脱毛が流行る要因の1つではないか、と高瀬院長は指摘する。

「K―POPアイドルが若者にとって身近になったことで、10代の若者にとって美の価値基準が韓流アイドルになっているのかもしれませんね。韓国は美容先進国。それゆえ、韓流アイドルは体毛が薄く、ツルッとした肌が魅力です。その影響もあり体毛が濃いことを恥じる若者が、男女問わず増えているのかもしれません」(前同)

 脱毛治療の相談に病院へと訪れる親子の多くは、脱毛治療に積極的な姿勢を示す人が少なくないそうだ。その理由を高瀬院長が話す。

「1つは親世代も脱毛経験者であるということ。脱毛をすると毎日カミソリでムダ毛を処理する必要がないので、皮膚へのダメージも軽減できる。時短にだってつながります。顔周りの脱毛をすれば、将来的に化粧ノリが良くなるといったメリットだってある。脱毛の良さを親世代が知っているからこそ、子どもにも勧めるのではないでしょうか」(同)