小麦粉やバター、カカオ豆などの原材料費や燃料費の高騰を理由に、菓子類の値上げ発表が止まらない。
「1994年、103円(税込・以下同)で売り出された『明治エッセル スーパーカップ』は今年の9月から183円に、グリコの2005年発売時150円だったのが220円へとなります。ブルボンの人気菓子『アルフォートミニチョコレート』は03年時105円だったのが9月以降は店頭想定価格154円と、いずれも発売当初の1.5倍ほどの値上がりとなります」(夕刊紙記者)
もはや数か月おきに各社が菓子類の値上げを発表している状況の食品業界。数百円で買える手軽な菓子類は、ちょっとしたおやつにとコンビニで買う人も多い。100円で買えていたものが150~200円近くにまで値上がるとなれば購入をためらう人も出てきそうなものだが、販売するコンビニ側はどう考えているのか。弊サイトはコンビニ専門家の渡辺広明氏に、菓子の値上がりがコンビニに与える影響について話を聞いた。
「日本フランチャイズチェーン協会の調べでは、コンビニ1店舗の客単価は23年が723.5円。05年は579円、13年596.8円ですから、ここ10年で客単価が1.2倍以上に上がっていることがうかがえます。
近年は材料費・輸送費の高騰が商品単価に反映され、値上がりしているため、客単価が上がるのは当然のこと。ですが、そもそも商品の値段を上げるべき時に上げなかったんですよね。平成では経済が冷え込んでいて、給料が上がらないなかで、“(商品は)安いことが美徳”という時代が長く続いてしまった。だからこそ、昨今の値上げがインパクトをもって受け止められてしまうんです」(渡辺氏)