日本の夏といえば“盆踊り”。どこからともなく聞こえてくる「♪ドドンがドン」の太鼓の音色に心躍らせる人も多いのでは。
人気バラエティ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、盆踊り専門家の佐藤智彦氏は、こう語る。
「盆踊りの原型は、お盆の先祖供養の一環として始まった“念仏踊り”だと言われ、時代の経過とともに地元の愛郷心を高める“新民謡”などを取り入れてエンタメ化しました。そして、昭和8年に、のちの定番曲になる『東京音頭』がリリース。『オバQ』や『ドラえもん』のアニメソングの盆踊りなど、人気曲が続々と登場し、夏の娯楽の定番になりました」
しかし、平成に入ると事態は一変。音楽フェスなど、夏の娯楽が多様化したことで、盆踊りは“古い”というイメージがついたという。
「そんなイメージを刷新するため、平成には、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』など、人気のJ-popを取り入れた盆踊りが多数生まれました」(前同)
そして今、令和の“盆踊りブーム”が起きている。
「令和の盆踊りは、さらに進化し、その年の最新ヒットソングを取り入れています。世界的歌手のYOASOBIや、Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』、SNSで流行した『ジャンボリミッキー』など、若者が親しみやすい曲が流れるので、10~20代の参加者が激増しています」(同)
また、かつての盆踊りは婦人会などの女性が中心だったが、
「盆踊り教室などのサークル活動や、盆踊り後のオフ会など、参加者同士の交流が活発になったことで、中高年世代や、定年退職後のリタイア世代の男性の参加者が増えました。僕の友人には、盆踊りをきっかけに結婚した人もいます」(同)