■朝の8時から11時を避けて移動すべし

 渋滞を回避するために、混雑する日程と時間帯を避けて移動するのが“賢者”の立ち振る舞いだろう。

「お盆の下り方面は、全国的に最初の土曜日が一番のピーク。Uターンのタイミングは13日~16日にばらける形ですが、たとえば東北道では15日がもっとも混むでしょう」(前出の『NEXCO東日本東北支社』の渋滞予報士・三皷快氏)

 時間帯に関してはどうか。元トラックドライバーのライター・橋本愛喜氏が解説する。

「同じ渋滞スポットでも、正月休み、GW、お盆休みとでは微妙に渋滞する時間帯が異なります。お盆に関しては、これも場所によって若干のバラつきはありますが、原則として朝の8時から11時くらいまでが一番ひどい。この時間に渋滞スポットを通るのは避けたほうがいいですね」

■左車線が一番早いは本当か

 それでも巻き込まれるのが渋滞というもの。その際はどう立ち回るべきか。テレビなどで専門家が“左車線が一番早い”とアドバイスをしているが……。

「必ずしもそうとは限りません。出口と合流があるのも一番左が多いですから。基本は出口が近づくと流れが速くなって、合流になると混み始める。したがって、合流する交通量が多い場合は左が遅くなりますよね。一方、厄介なことに首都高などの場合は出口と合流が一番右車線のケースも多いんです」(前同)

 ゆえに、出口や合流地点を把握してケースバイケースに対応する必要がある。いっそのこと“下道に降りたほうがいいのではないか……”との考えもよぎるが、

「よほどの渋滞でない限り、基本は高速に乗ったままのほうが早く着くんです。また、当然ですが、高速がひどく渋滞しているときは、大抵、下道も混んでいます。下道が複数あり、車両が分散される道路なら下道に出るのも手です。そういった状況も含め、サイトなどで確認するべきです」(同)

 よほどの用事がなければ、君子危うきに近寄らず、といったところか……。

橋本愛喜
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで二百社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。各メディア出演や全国での講演活動も行う。