■虫に刺されやすい服の色は…

 続いて白井氏の協力のもと、選りすぐりの虫刺され対策を5つ紹介しよう。

 刺される前に蚊を排除するなら、ミドリ産商の『パチっと蚊とりマスター』(580円税込)。ラケット型のフォルムに張られた電気網が虫を感電させる仕組みだ。

「『三層構造』が虫とりに効果的で安全な商品です。表面に手があたっても感電することがありませんし、面積が大きくネットの風通しが良いので、振り回すだけで面白いくらい蚊を捕獲しやすいです」(白井氏=以下同)

 また、着る服を虫よけ対応にするのもおすすめ。インセクトシールド社の開発するウェアなら、着るだけで人を刺しに来る蚊やブユなどが寄り付かなくなる。

「防虫成分を繊維に付着させる独自技法が特徴です。数社から発売されている虫よけ服はイオンやワークマンにも展開され、パーカーが2500円(税込)など気軽に購入できるのが良いですね」

 特別な服やアイテムがなくとも、手持ちの物である程度、虫から身を守る裏ワザもある。

「白や黄色などの明るい色や淡色、そしてゆったりとした大きめの服を着ると効果的です。蚊には色が見えており、暗い色を保護色とみなして寄ってくる習性があります。また、針状の蚊の口は約2ミリなので、ゆとりのある服なら蚊がとまっても肌まで針が届きにくいでしょう」

 刺されやすい体質を改善するなら、こまめに顔や足を洗って清潔にするとなお良いという。

「蚊は皮脂が好きで、汗の成分に寄ってきます。なるべく洗い流して靴下を履きましょう。さらに秘密兵器はハンディ扇風機です。蚊の体重は2ミリグラムと軽く、風で吹き飛ばすだけでも効果がありますよ」

 それでも刺されてしまった場合。なるべく早くかゆみと腫れを引かせたいところだが、掻きむしった後に薬を塗って、痛さに悶絶した経験は誰もがあるだろう。

「効果を追うならジフェンヒドラミンやステロイド系のPVAなどの成分を含む『ムヒアルファ』がおすすめです。一方、清涼感の元となるカンフルやメントールがヒリヒリして、痛みにつながることもあるので要注意。本来は乾燥による痒み止めクリームですが、『メンタームEXソフト』(90グラム・1639円税込)なら、しみずに使えます」

乾燥によるかゆみ止めクリームも虫刺されに有効 ※画像はメンタームEXプラス150グラム。撮影/編集部

 虫よけ対策に一工夫して、より快適に、夏の外出を楽しもう。

白井良和
害虫防除技術研究所代表、有限会社モストップ取締役、医学博士。1994年、京都大学農学部卒業、1996年、京都大学大学院修了。殺虫剤メーカー研究員を経て、2001年、富山医科薬科大学大学院修了。害虫駆除会社にて、ゴキブリ、ネズミ、ハチ、蚊等の駆除作業を行う。2003年、有限会社モストップを創業。現在、害虫を用いた虫よけ剤、捕獲器などの試験、害虫駆除、メディア協力、Web記事監修、YouTube動画投稿などを行っている。