■フワちゃんが「テレビのおじさん的に“便利”だった」理由
X上の指摘にもあるように、なぜフワちゃんはテレビ番組やラジオ、CMで引っ張りだこになったのか――その前に、いつからさまざまな番組で見かけるようになったのか。
「フワちゃんは大学在学中からお笑い養成所に通っていたのですが、鳴かず飛ばず。そんななか、テレビ出演を目指す自己PRの場として、テレビディレクターと一緒に2017年にYouTubeチャンネルを開設し、さらにその翌年にYouTuberデビューすると、その底抜けの明るさやぶっちゃけキャラ、ポップなセンスが大ウケしました。
19年には地上波の番組に半年で100本以上の出演を果たし、20年のユーキャン新語・流行語大賞ではTOP10にランクインしています」(前出のWEBライター)
しかしその後、フワちゃんのあけすけな振る舞いは、活動の幅が広がれば広がるほど“受け付けない”人が増えてゆく。さらに、フワちゃんの“大御所を呼び捨て”“タメ口”“生放送中にあくび”といった態度が明らかになっていくと、好感度は下がる一方。次第に《もういい》《出過ぎ》など、お腹いっぱいになる視聴者が続出した。
確かに、ルールや礼儀が守れないとなれば、一般の社会人としては“アウト”であろう。なのに、なぜテレビ番組では、フワちゃんは起用され続けてきたのか。弊サイトは、フワちゃんとも仕事をしたことがあるという元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏に”テレビ界の事情“を聞いた。
鎮目氏は、「フワちゃんは、テレビのおじさん的に“便利”だった」という。
「日本の情報番組やバラエティ番組には“おじさんと若い女性”という構図があります。そもそもテレビ界のトップやキャスティングの決裁を握るのは大体おじさんで、冠番組をもっているのもほぼ“おじさんタレント”。おじさんがおじさんをメインに据えた番組を作っているわけです。
ただおじさんだけだと華がないということで、女性のキャスティングを考えます。その場合、女性がおじさんに遠慮してしまうと、番組の空気が滞留する。スタジオの空気をひっかきまわすサーキュレーターとして機能する女性タレントがほしいと思った時、ぶちかます暴れ役としての立ち位置にフワちゃんはぴったりハマっていたんです」(鎮目氏)