■広いようで狭い芸能界……一度の遅刻ですべて失うことも

 芸能人の遅刻について、芸能評論家の三杉武氏はこう話す。

「昭和の頃は、遅刻上等な破天荒な芸能人が魅力的に映るおおらかな時代でもありました。それでもある程度の大物ではないと受け入れられるものではなかった。まず大前提として芸能人は個人商店です。マネージャーが現場に謝罪をしたとしても、悪評が立って仕事に影響しかねません。

 レギュラー番組での遅刻なら多少許されなくもないでしょうが、一期一会の現場も少なくありません。遅刻することはかなりのリスクですし、それだけで仕事を失うこともあります。芸能界広いようで狭いですし、噂はすぐに広まってしまいますからね」(以下、すべて三杉氏)

 そういう環境に身を置いているにもかかわらず、遅刻常習犯のフワちゃんはある意味ですごい度胸だとも言えそうだが――。

「フワちゃんをずっと使ってあげている有吉さんもすごいですよね。

 芸人ではビートたけしさん(77)はかつて、“おばけが出た”という理由で『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)の収録を欠席したり、『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)をドタキャンしたこともありました。これらはもはや伝説になっていますが、最近の芸人でたけしさんほどのことをやってのける人はいませんよね」

※画像は『有吉の夏休み&冬休み』の公式X『@ariyoshi_yasumi』より

 お笑いコンビ・はんにゃ.の金田哲(38)は2019年9月の『エゴサーチTV』(ABEMA)に出演した際、ネットで噂されていた「はんにゃ金田哲は遅刻癖があって干された」説に言及。

 相方の川島章良(42)は「芸人界で1位2位を争う遅刻魔です」とし、金田は「たくさんお仕事させていただきました。3日寝てないとかありました。その状態で、僕はお酒が好きなのでお酒を飲みます。すると舞台に遅刻します」と、頻繁に遅刻をしていた経緯を説明。舞台への遅刻を繰り返した結果、関西圏の劇場をすべて出禁になったと明かしていた。

野々村真さん(60)にも新人時代のドラマ収録の初回に5時間遅刻し、現場から総スカンを食らったというエピソードがありますが、特にお酒好きの芸人に遅刻が多い印象です。オズワルド伊藤俊介さん(35)もそうですよね。

 ただ、芸人はひな壇やロケなど団体行動が多い。遅刻すると現場全体に迷惑をかけることになるわけです。にもかかわらず、遅刻してしまうというのはある意味ですごいと言えばすごいのですが、当然、一発アウトになる可能性もある。特にフワちゃんがですが、ここにきてあらためて時間が守れないこと、すなわちルールが守れなかったことが注目を集めてしまっていますよね」

 一般社会においても信頼を一気に失ってしまいかねない遅刻。フワちゃんや中丸の騒動を受け、自身の行動を律しようと気持ちを新たにした芸能人も少なくないのではないだろうか。