猛暑が続く日本列島だが、8月の半ばと言えばお盆の時期。実家に帰省し、墓参りをした人も多いだろう。そんな中、昨今激しく変わりつつあるのが墓事情だ。
古来、墓といえば角柱型の墓石に“◯◯家之墓”と刻まれたスタイルが多かったが、最近は背の低い墓石に「心」「ありがとう」など一句を添えたものや、維持管理や墓参りが大変といった理由から、墓石を持たないマンション型の自動搬送式納骨堂も人気。さらには子どもに負担をかけたくない、跡継ぎがいないなどといった理由で、墓そのものを作らない散骨も注目を集めている。
そうしたなか、火葬が終わった後の遺灰を海に撒く「海洋散骨」をすることに決めたと7月末にX(旧ツイッター)で報告したのはお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳(50)だ。
「田村さんによれば、夫婦で話し合って海洋散骨をすることに決めたとのこと。田村さんはお母様が生前“墓じまい”をしたため、受け継ぐ墓が存在しないことも散骨への後押しとなったようです。ちなみに海洋散骨をした著名人は、これまでにも石原裕次郎さん・石原慎太郎さん兄弟、立川談志さん、X JAPANのHideさん、勝新太郎さん、安岡力也さんなどがいます」(芸能記者)
葬儀社に長年勤務する現役社員で「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の赤城啓昭氏が、最新の納骨・墓事情を語る。
「お墓に関するウェブポータルサイト・いいお墓が実施した『お墓の消費者全国実態調査(2024年)』によれば、購入したお墓の種類で最も多かったのは墓石の代わりに樹木をシンボルとする樹木葬で48.7%。樹木葬が一般墓を上回ったのは20年で、以来一貫してトップです。一方で一般墓は18年に46.7%を占めていましたが年々減少し、今回の調査では21.8%という結果でした。
また、この調査で特徴的だったのは、墓は墓でも“跡継ぎ不要のお墓を購入した”との回答が64.1%と、昨年度の41.4%から一気に伸びたこと。墓を継ぐ、継いでもらうという意識が薄れつつあることが浮き彫りになっています」(赤城氏)