2024年夏――7月からは『シャッフルアイランド』のシーズン5(ABEMA)や『今日、好きになりました。』の夏休み編(同)が、8月からは人気シリーズ『オオカミには騙されない』の最新作『キミとオオカミくんには騙されない』(同)や、『ラブ トランジット』のシーズン2(Prime Video)が始まるなど、「恋愛リアリティ番組」が活況を迎えている。
他にもこの夏には、男性同士の恋愛を描いたNetflix『ボーイフレンド』も大きな話題に。「恋リア」という略称も浸透するほどに恋愛リアリティショーは配信サービスにおけるヒットコンテンツとして定着している。
「とくにABEMAは、めるること生見愛瑠(22)や高橋文哉(23)らを輩出した18年の『太陽とオオカミには騙されない』のヒットをきっかけに“恋愛番組”の制作に力を入れています。婚活サバイバル番組といった大人向けの番組もありますが、現役高校生が出演する『今日好き』、10代後半~20代前半が出演する『オオカミ』といった番組は出演者と同世代の10代~20代前半を中心に大人気です」(トレンドライター)
一方で、若者のリアルな生活実態においては“恋愛離れ”が加速しているという。
「Z世代向けの企画・マーケティングを行なう『僕と私と株式会社』が24年6月に発表した調査結果によると、Z世代の40.5%が交際経験ゼロ。また、“日々の生活でもっとも大事にしていること”に関する質問では、Z世代は『趣味・習い事』が31.3%で1位だった一方、『恋愛・結婚』は4位ながら7.4%と低い水準で、3位の『仕事』(15.3%)と比べても半分以下という結果でした」(前同)
「恋リア」は若者に人気でも、現実の恋愛に対する関心が薄い傾向にあるのはなぜなのか。弊サイトは、若者研究の第一人者で、マーケティングアナリストとしても活躍する芝浦工業大学デザイン工学部教授の原田曜平氏に話を聞いた。
若者の“恋愛離れ”が加速しているのには3つ理由があると原田氏は語る。
「まず、昔と違って社会からのプレッシャーが小さくなったこと。ゼロになったわけではないですが、親や周囲から“結婚はまだ?”とか“彼氏はできたの?”と言われる機会は減りましたし、そういうことを言うこと自体、ハラスメントだという意識が高まりました。
結婚情報メディアの『ゼクシィ』(リクルート)ですら、“結婚だけが人生のすべてではない”というスタンスを強調しているくらいです」(原田氏)