■正しい「爪切り」道具の選び方は

 残爪の長さも人それぞれ個性が分かれるところだろう。

「あまり伸ばしすぎてしまい、指から離れすぎると、爪の水分が不足しがちになり、割れる原因になりますね。一方で、切りすぎも厳禁です。短すぎて深爪すると、皮膚が傷ついたり、巻き爪の原因になります」(前出の医療ライター)

 では、フットケア協会が定める爪の長さはどれくらいなのか。

「爪先の中央と指の先端が同じ高さになるのが理想です」(前出の室谷氏)

 また、爪を切る際の道具である「爪切り」も、正しい選び方があるという。

「一般的な、先端の刃が丸くなっている爪切りは切りすぎてしまう可能性があります。少しずつ切って、細かく調整するには、“刃が小さい直線のもの”が、均等に切りやすくてオススメですね」(前同)

 昨今、流行中の「電動爪切り」については、

「爪が太くて硬い方には切りやすいとは思いますが、均等には切りづらいのと、深爪の可能性もあるので、充分気をつける必要があります。皮膚も一緒に削る場合があり、出血の可能性があります」(同)

 さらに、爪を切るのにベストなタイミングはというと、

「お風呂上りに爪を切ると、指周りの角質の除去も一緒にできるので、おススメです。角質を取ると指周りの血行が良くなります。その後は、マッサージも効果的です。指先は毛細血管が多く、血が滞りやすいです。爪の根本から爪沿いに指先に向かって左右にやさしく撫でると効果的です」(同)

 これを機に爪の手入れ見直してみては。

室谷良子(むろたに・りょうこ)
日本フットケア協会師範。代々継承されてきた血流の滞りを手当する方法「血の道療法」を研究・発展させた、フットケア療法を確立。身体の循環を良くするよう、フットケア・ハンドケア・爪のケア・顔のケアなどの手わざの口伝、伝承を行っている。保健・看護・介護に関する研究では、日本統合医療学会などで成果を発表している。監修書・指導書に『ピクチャーブック 爪のケア・手足のケア技術』(看護の科学社)、『からだがスーッと楽になる全身ケア』(メトロポリタンプレス社)など。