■『降り積もれ孤独な死よ』どんでん返しはあるか

 これらのように、考察で多いのは、マヤ(沖)がビルから転落死したことと蓮水花音(吉川愛/24)の関係や、ラストで灰川邸付近で発見された白骨死体が、健流(杢代)ではないかというもの。また、健流の母・陽子に長谷川京子(46)がキャスティングされているため、陽子が健流の弟(顔傷男?)を操っているのはないかと疑う声もある。

 確かに、長谷川の役者としての格の割に、陽子の登場シーンは少なく、このままで終わるとは思えない。また、灰川邸事件の生き残りの6人の中、唯一、肉親として公式サイトの相関図に出ているのも気になる。視聴者の指摘の通り、ここから陽子がキーパーソンとして動き出す可能性は高そうだ。

 気になるのが、本作がこれまで“父と子”の関係を描き続けてきたということ。灰川と彼に引き取られた子どもたち。灰川と実の息子の鈴木。幼い頃の灰川と、蔵土村の名士である父との関係が描かれていて、さらに冴木と蒼佑についても、父のDVが彼らの暴力衝動に影響していることが描かれていた。父と子の関係は、今作のひとつのテーマとなっているのだ。

 そうなると、顔傷男の行動にも父との関係が裏にあると考えるのが自然だろうし、視聴者も予想がつくだろう。しかし、新章がドラマオリジナルの展開になるのであれば、どんでん返しを狙って、あえて母を持ってくるという手も十分にありえる。ひょっとしたら、陽子(長谷川)の裏にも顔傷男の父親が絡んでいる、ということがあるかもしれない……。

 とはいえ、陽子が終盤の鍵になることは、ほぼ間違いないだろう。生き残りの5人が、健流に何をしたかも、まだ分かっていないが、第8話で健流の過去が明らかになるようだ。マヤに続く被害者が出るのか? 花音(吉川)が現在の少女失踪事件に関わっているのか? ドラマオリジナルのラストにつながる、今後の展開を楽しみたい。(ドラマライター・ヤマカワ)