熱戦が続いた夏の甲子園大会。決勝戦はともに初優勝を狙う関東第一(東東京代表)と京都国際(京都代表)の激突となった。結果は、2対1で京都国際が延長戦の末に勝利。初の栄冠に輝いた。その一方で、今大会で目立ったのは強打が売りの常連校の早期敗退だ。
「夏の甲子園を5度制覇し、優勝候補の筆頭でもある大阪桐蔭(大阪代表)は2回戦で敗退。強打が売りで過去に3度の優勝経験がある智弁和歌山(和歌山代表)も初戦で姿を消しました」(スポーツ紙記者)
他にも、センバツ大会で準優勝した報徳学園(兵庫代表)も初戦敗退、大会覇者である健大高崎(群馬代表)も2回戦で敗れ春夏連覇の夢は潰えた。強豪校の相次ぐ敗退――その原因の1つとして上げられるのが低反発バットの導入だ。
「高校生の間でもウエイトトレーニングが広がったことで、かつてと比較すると体が大きな子が増えました。そのため、打者の打球速度も上がりピッチャーに打球が直撃しヒヤリとするシーンも増加。このままでは選手が危険と判断した高野連側が、真芯で捉えないと打球が飛ばない低反発バットの導入を決めたのです」(前同)
結果的に大会を通じてのホームラン数は激減。大会第1号ホームランが飛び出したのは開幕から19試合目のこと。大会を通じてもホームランはわずか7本と過去最低の少なさで、優勝した京都国際の選手が大会を通じて放ったホームランは0本だった。
専門家はこの状況をどの様に見たのか。弊サイトは、ダルビッシュ有投手(38)を筆頭に40人以上のプロ野球選手が加入するオンラインサロンの運営者で、野球界の最先端トレンドを分析した単行本『セイバーメトリクスの落とし穴』(光文社新社)などの著書も注目されるお股ニキさんに話を聞いた。
「従来の力で打ち勝つ野球をしてきたチームにとって、低反発バットの導入は不利に働いていると思います。フィジカルを全面に出して、力で打ち勝ってきた智弁和歌山や大阪桐蔭の早期敗退が良い例でしょう」(お股ニキさん)