■沖縄県民の台風対策について専門家の見解は

 この沖縄「台風あるある」に対し、一般社団法人日本地域地理研究所の理事長を務め、自身も防災士の資格を持つ瀧波一誠氏は沖縄と本州の地形の面から、次のように解説する。

「沖縄では、本州のような土砂崩れや洪水のリスクが少ないことから、県民も防風を行えばある程度、余裕があるんだと思います。しかし、外が危険な状態になってからの避難はご法度。安全な避難場所を事前に把握し、早めの避難を心がけましょう。水、非常食、懐中電灯、ラジオなど、基本的には地震と共通の防災用品を備えておけば問題ありません」

 では、水害や崖崩れから身を守るにはどのように行動すべきだろうか。

「水害などが危ぶまれる地域は建物の2階へ、崖の近くの家なら少しでも崖から遠い部屋に移動するのが得策でしょう」(瀧波氏)

 最後に台風一過の沖縄にはこんな「あるある」もあると言う。

「車社会の沖縄では、台風後にガソリンスタンドで洗車機を待つ長蛇の列ができる。その景色はまるで、ラーメン屋に並ぶ人々のよう……海風で車にサビができてしまうので洗車は必要不可欠なんです。昔から“国道に洗車機を走らせればいいのに”なんて冗談が言われているほどですよ」(前出のひが氏)

 瀧波氏も、車の塩害は沖縄県に限らず沿岸部は要注意だと語る。

「車のボディだけでなく、下回りも塩害になりがち。洗車機のオプションを駆使したり、事前にコーティングをすると良いですね」

 沖縄に学ぶ台風への対策と心意気。この秋の台風シーズンも安全に過ごしたい。

比嘉竜太(ひがりゅうた)
吉本興業所属のお笑いコンビ「ありんくりん」として活動。1992年7月10日沖縄県北中城村生まれ。趣味は三線、沖縄芸能で、三線のレパートリーは15曲ある。うちなーぐち(沖縄方言)や野球モノマネが話題に。