■『ブラックペアン』最終回に用意されていること

 ネタバレのため詳しく書かないが、原作では悲劇で終わる。だが、渡海が執刀することになった以上、天城の手術は成功に終わり、医師として復活するはずだ。

 公式サイトの第9話あらすじによると、天城が患者に二者択一をさせるようになった理由や、特別な手術法のダイレクト・アナストモーシスが生まれたきっかけ、ブラックペアンに隠された過去が明かされるようだ。まるで最終回さながらにこれまでの答え合わせが行われるようだが、普通、日曜劇場は全10話。最終回では、これまでを回収する以上の大ネタが、別に用意されていると思われる。

 では、何が用意されているのか? 天城と渡海の謎解きがされるとなると、残されているのは2人の愛弟子である、世良(竹内)がフィーチャーされる可能性が高い。渡海と天城の技術、意思を継ぐものとして、次の主役指名がされる。つまり、ブラックペアンの続編が示唆されて幕を閉じるのではないだろうか。

 第8話の平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は10.4%と、前回から0.5ポイント下げたとはいえ、十分な数字を残した。海堂氏の新著『プラチナハーケン1980』(講談社)はシリーズの前日譚で、若き日の渡海が描かれているが、世良のその後を描いた新作にも期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。