■ディズニーに行かなくなった人たちが知らない「真実」
もう一つ、今の20代、30代がTDR(東京ディズニーリゾート)に足を運ばなくなっている理由として、 前出の吉田さんは「ショーやパレードの開催数の減少」を挙げる。
「たとえば、夏の猛暑時期はキャストやダンサーはもとより、滞在するゲストの健康被害が出ないよう、昔のように日中のパレードやステージショー、ハーバーショーなどは行なっていません。
そうすると、以前の様子を知っているゲストや元々ディズニーが好きな人であれば、“夏は暑いから昼はパレードなどを行なわない”という理由をSNSなどの情報から入手していて、足を運ぶ回数も少なくなる傾向にあります。過去数回しかパークへ行ったことがないというライト層の方は“ディズニーに行ったのに実施すると思っていたパレードが行なわれていない”ということを現地で体験することなどにより、“夏季のリピート率”が低下しているのではないでしょうか」(前同)
もちろん、TDRは多くの学生たちにとって憧れのデートスポットであり、友人グループで行きたい場所であることに変わりはないだろう。ただ学生時代にディズニーに行っても、その後特段リピーターになるわけでもない。結果、「高校生以来行ってない」「一度行けばしばらくはいい」といった大人たちが続出するわけだ。
「ただし、価格が上がったことにより、園内が快適になってきたことは事実なのです。特にコロナ渦前(年間パスポートが発行されていた時)の東京ディズニーランドは平日、休日ともに連日歩けないぐらい混んでいることが多く、ビッグサンダーマウンテンやスプラッシュ・マウンテンは2時間、3時間待ちが当たり前。1日にアトラクションを3つ~4つ楽しめたらいい方でした。
そうしたなか、TDRを運営する株式会社オリエンタルランドは、数年前からパークを“快適”な空間にする姿勢を打ち出しました。ディズニー・プレミアアクセス(有料予約サービス)の導入もその一環で、今はどのアトラクションも30分、長くても70~90分ぐらいの待ち時間で体験ができるようになっている日が多いです。平日なら午後から行ってもアトラクションを8~10個ほどは楽しめるので、金額が上がってしまったことは否めませんが、これまで以上に園内を楽しめる、ということも知っていただきたいです」(同)
"ディズニーは混んでいて、何時間も待たなくちゃいけない”という状態も今は昔。入場料金が高くなっているとはいえ、楽しめるアトラクションの数は何倍にもなっていることを考えると、アトラクション派には“昔よりも元が取れる”価格構造になっているとも言えるのかも。
吉田よしか
神奈川県生まれ。
年間を通じて、国内・海外のディズニーリゾートを訪れ、現地の最新情報のほか、ディズニー関連の情報をAmebaオフィシャルブログ、YouTube、Instagram「吉田さんちのファミリー日記」にアップ。総フォロワー38万人を越えるインフルエンサーとして活躍中。