■ファミリー層が減少
若者来園者の間で進むディズニー離れ。前出の吉田さんは、「やはりチケット代の高騰による離脱は大きい」と話す。
「年間パスポートが20年に廃止されてから4年程経ちますが、年パスがなくなったことで、違うところに目を向けるようになったファンも多いと聞きます。特に若年層の場合、スマホ代などをはじめTDR(東京ディズニーリゾート)以外にももっと他にお金を使いたいことがたくさんありますし、一度、金銭的理由や頻繁に通えていた要因であるツールの廃止などで足を運ぶ機会が少なくなってくると、過去のような頻度でリゾートに通うことはなかなか難しいと思われます」(吉田さん)
何十年もTDRに通う吉田さん。徐々に値上がりする歴史を誰よりも実感しているそうだが、さすがに「大人料金が1万円を超えた時」以来、客層の変化を強く感じているという。
「今まで1番金銭的に“きついな”と感じたのは、大人料金で1万円を超える日が出てくるようになってからですね。やっぱりチケット代1万円の壁は大きいです。子供料金の価格上昇の影響もあって、以前より明らかに小さなお子様を連れたファミリー層が減ってきているようにも感じます」(前同)
現在、中人(中学・高校生/12~17歳)は6600円~9000円、小人(幼児・小学生/4~11歳)は4700円~5600円。幼稚園児や小学生で、20年前の大人のチケット代(5500円)と同程度の価格帯になっているのだ。
「たとえば3連休の真ん中である9月15日の料金を見てみると、大人1万900円、中人9000円、小人5600円です。夫婦2人、小学生以下の子供2人という家族なら、チケット代だけで3万円超え。
食事に関しては、パーク内のテーブルサービスレストランで食事しようとすると1人1食2000~3000円ぐらいが平均です。おやつなどでチュロスやポップコーンを食べる、ジュースを飲む、お土産を購入するなどしていると、4人家族で足を運んだ場合、交通費なども含むと一日の合計金額が10万円近くかかってくる場合もあります。
そうなると、今までのように“ちょっと行ってみようか”と、気軽にお出かけできる雰囲気ではなくなりますよね」(同)