「新宿に来なくても結構です、と正直思っています」
9月10日に開催された会見でこう述べたのは、歌舞伎町を筆頭に東京随一の歓楽街が広がる新宿区の吉住健一区長だ。
「吉住区長は会見で、ハロウィン当日となる10月31日の午後5時から、翌朝5時までの間、区内の一部地域で路上飲酒を禁止とする旨を発表。対象となるのは飲食店がずらりと並ぶ、新宿3丁目から歌舞伎町1丁目にかけての地域です」(全国紙社会部記者)
ハロウィンの夜へ向けて新宿区が着々と厳戒態勢を押し進める背景には、お隣・渋谷区で起きた変化がある。
「例年、ハロウィンの日の夜には多数の若者が渋谷に押し寄せていました。これを受けて渋谷区も対策に乗り出します。昨年は、9月上旬から“渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません”と書かれた紙が街のあちらこちらに張り出されました」(前同)
ハロウィン直前となる昨年10月28日には渋谷のアイコンでもある駅前のハチ公像が白い布で覆われ、普段は通行人が行き交うセンター街の中央も31日に仕切りを設置。警備にあたった警察官は通行人へ右側通行を呼びかけた。
「結果的に23年のハロウィンの日の夜に渋谷の繁華街に集まったのは、22年よりも8000人少ない1万5000人。渋谷区の対策が効果を示したのです」(同)
渋谷でハロウィンナイトを楽しむ人が減少した一方、大幅にハロウィンの日の夜の来街者数が増えたのは新宿だ。
「昨年、ハロウィンの渋谷を避けた観光客など3000人が、新宿駅付近に集結。翌日はゴミ箱をひっくり返したほど大量のゴミが捨てられ、街中に酒の匂いが充満するほどとなりました」(同)